せんだいメディアテーク



メディアテークの日々の活動をお知らせします。

2015/06/20
知ることからはじまる 触れる文化としての点字

「今日は、共生のお話をします」
宮城教育大学の長尾博さんを迎えた講演会「触れる文化としての点字」は、長尾さんのこの言葉から始まりました。 「共生」、それは「障がい者」「健常者」の共生なのか。続けて「触常者」「見常者」という言葉が示されます。私たちは、優劣の存在ではなく、それぞれに文化を持つということの表われです。長い年月に培われてきた多様な文化をもち、点字はその大きな存在のひとつです。
互いの文化への理解、認識がときに一方的になっていないだろうか。この問いかけは点字ブロックや点字表示の実例を紹介いただくうちに、驚きと気づきに変わります。
役に立っていると思っていたものに、たくさんの初歩的な間違いがあること、混乱や危険を招く可能性があるもの、少しでも利用する立場に立てば、決して選択されない場所や方法で掲示されているものも少なくないという実情。
「触常者、目の不自由な人は少数です。私たちは見常者の社会、文化に歩み寄り過ごしています。手をかしていただくこともたくさんあります。共生とは互いに歩み寄ること。相手の文化を知り、理解することからはじまります。話し合うこと、知ろうとする気持ちが大切なのではないでしょうか」
長尾さんのユーモアも交えたお話で、会場は終始和やかな雰囲気に包まれながらも、これからの本当の共生のために何をすべきか、来場者それぞれに気づきに満ち、思いを抱く時間となりました。
(E.Y)


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  • さまざまな事例や資料を紹介しながら
    2015/06/20
    さまざまな事例や資料を紹介しながら
  • 1922年から刊行されている新聞「点字毎日」
    2015/06/20
    1922年から刊行されている新聞「点字毎日」
  • 情報提供に携わるボランティアや職員、日常的に点字を使うかた、学生など、関心ある多数にご来場いただきました。
    2015/06/20
    情報提供に携わるボランティアや職員、日常的に点字を使うかた、学生など、関心ある多数にご来場いただきました。
  • 長尾さんのホームページ「ムツボシくんの点字の部屋」は楽しくも考えさせられる記事がたくさん
    2015/06/20
    長尾さんのホームページ「ムツボシくんの点字の部屋」は楽しくも考えさせられる記事がたくさん

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