せんだいメディアテーク



メディアテークの日々の活動をお知らせします。

2015/11/21
物語りのかたち

 2013年からメディアテークの事業のテーマとしてきた「対話の可能性」は、3年目となる今年度で一旦区切りを迎えます。「対話の可能性」では、震災後に市民のみなさんと協働してきた、さまざまな取り組みの成果を発表してきました。今年は、みやぎ民話の会とおこなっている東北の伝承民話の映像記録を活用した展覧会「物語りのかたち」を開催しています。
 これから先の未来を考えるとき、あの震災を経験した私たちには、まず過去を批評的に見つめることが求められるように思われます。この展覧会は、そんな思いとともに、美術や漫画の作家が、過去を物語る行為としての民話を解釈し、かたちに表したものです。参加作家は、漫画家のいがらしみきお、美術作家の山本高之、同じく美術作家の田村友一郎。それぞれ、持てる技術や手法は異なるものの、記録された物語を作品にするのではなく、行為としての「物語り」にどのような形態を与えるかを主眼に置いています。同様に、みやぎ民話の会が、映画監督とともに、民話語りを映像に収める際にも、声や表情といった語り手の所作、語り方の記録が重視されます。語りの内容と所作は切り離せないものだからです。
 さて、とはいえモノの集まりである展示空間の中からどのように「物語り」への思考を立ち上げるか、あるいは、聞き手としての鑑賞者の姿をどのように展示に組み込んでいくのか、モノという形態に表すと同時に発生するこれらの難題について、作家はそれぞれに格闘し展示に結実させました。展覧会というメディアの可能性に挑戦した「物語りのかたち」展をお見逃しなく。
(K.S)


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