全館再開のお知らせ

せんだいメディアテーク



せんだいメディアテークをもっとよく知るためのさまざまな情報を、副館長の佐藤泰がお届けします。

53「図書館との一体的運営」

メディアテークという名前は、フランス語で図書館や本棚を意味するビブリオテークがもととなり、本(ビブル=聖書)がメディアに置き換わることで生まれた新語です。1994年の設計競技の際に、図書館、ギャラリー、映像ライブラリー、視聴覚障害者情報提供の4つ機能を複合する施設に与えられた「せんだいメディアテーク」という名前は、図書館が新しい時代やひとびとの要求に即して機能を拡張していくことをイメージするものでした。視聴覚ライブラリーや視聴覚障害者情報提供はもちろんギャラリーも、市民の情報の受発信を支援するという図書館の新しい機能に含まれるものであり、それを実現するためには、「最新の知と文化」「ターミナルからノードへ」「あらゆるバリアからの自由」という理念のもと、それぞれの機能を一体的に運営する体制を作ることが大切だとされたのです。それが実現できていたら世界に誇れる先進的な図書館が生まれたはずですが、さまざまな困難もあり、残念ながらメディアテークと図書館は別々の組織となり現在に至っています。
被災した7階の復旧にともない2階のライブラリー機能も従来のサービスを再開します。再開後は被災で多くの資料を失った7階の美術文化ライブラリーが3階の図書館に吸収されるほか、運営時間を含め、2階全体が図書館との一体性をより強めることになります。これを当初のコンセプトに照らして前進とみるかどうか難しいところですが、7階での市民協働による情報発信機能がいっそう強化されることは間違いないので、その牽引力によって、図書館を含むメディアテーク全体がもつ本来の底力を発揮していければ幸いです。

(2012/01/05)



  • 2011年5月3日 待ち遠しかった再開日図書館カウンターに並ぶひとびとの列

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