全館再開のお知らせ

せんだいメディアテーク



せんだいメディアテークをもっとよく知るためのさまざまな情報を、副館長の佐藤泰がお届けします。

57「共有のデザインを考える」

人であれ動物であれ、生きている限り自らの生存、あるいは自由のためのテリトリーは守らなければなりません。テリトリーの奪い合いを避けるために私たちはさまざまな約束やシステムを作ってきたともいえるでしょう。そのなかにあって、仲良く分割してしまえるものはいいのですが、そうでないもの、たとえば環境や景観、言葉や文化といった細切れでは本来の価値をもちえないものに関しては、それを分割せずに共有する工夫や努力も必要になります。メディアテークにおいても、定禅寺通につながる壁のない空間や、さまざまな活動や情報のネットワーク環境の本当の価値を守るためには、安易に切り分けたり規則でがんじがらめにしたりすることなく、自由で豊かな広がりを保ったまま、公共の資源として共有するための学びあいを続けることが大切だと考えています。
開館後まもない2002年に、そうした試みのひとつとして開始したスタジオトークセッション「共有のデザインを考える」は、2004年に168ページの記録書としてまとめられ、現在もPDFファイルでお読みいただけます( http://archive-www.smt.jp/media/talksession/)。また「てつがくカフェ」などのカフェ事業や、開館10周年を記念しておこなわれた連続トークセッション「コミュニケーションの未来へ」もその延長線上の事業して位置づけています。メディアテークとしては今後も引き続き、公共資源をいかにしてより豊かに共有していくかについて、みなさんといっしょに考える場をつくりながら、より良いありかたを探り続けたいと思います。

(2012/05/01)


  • 考えていく場「考えるテーブル」
    考えていく場「考えるテーブル」
  • シネマてつがくカフェの様子
    2012/03/18
    シネマてつがくカフェの様子

ページトップへ