全館再開のお知らせ

せんだいメディアテーク



せんだいメディアテークをもっとよく知るためのさまざまな情報を、副館長の佐藤泰がお届けします。

58「未来に贈る地域映像」

「せんだい時遊マップ」「街のアルバム製作委員会」「まちかどタイムトラベル」「地域映像アーカイブ研究会」「8ミリフィルム救助隊」。メディアテークが開館以来、地域映像アーカイブのためにたくさんの方々とともに継続的に取り組んできた事業の名前です。震災以降「3がつ11にちをわすれないためにセンター」を立ち上げ、集中的に作業を進めていることもあり、従来のアーカイブ事業はいったん休止した形になっていますが、震災前の街のようすを伝えていくためにも、みなさんとともに徐々に再開していければと考えています。
アーカイブ事業を進めるためには、まずは資料や映像を集め整理する地道な作業が何より大切なことは言うまでもありませんが、同時に集めた資料をいかにして広く活用するかという問題にも向き合わなければなりません。「3がつ11にち・・」でも、アーカイブが将来にわたって広く活用できるよう、事前の手続きを徹底するなど、細心の注意を払って作業を進めていることはご承知のとおりです。しかし一方で忘れてはいけないのは、現時点で権利処理ができないからといって、将来の活用まで諦めるべきではないという点です。それらの権利は100年もたてば保護すべき対象を失うことで消滅し、それ以降は共有の財産として活用できるようになるはずだからです。地方の放送局などで制作された映像のなかには膨大な量の地域の記録が含まれていますが、それらも含め、地域にとって貴重な記録、知的な財産であると思われるものを選び出し、100年後のためにリストを公開するなどといった取り組みも、それらが不用意に失われることを未然に防ぐうえで有効かもしれません。メディアテークはそんな活動を支える場でもありたいと思います。

(2012/06/01)


  • 大正元年に東一番町に登場した洋風喫茶店鶴屋を、人々はしゃれてカフェー・クレーンと呼んだ。
    1912年(大正元年)
    大正元年に東一番町に登場した洋風喫茶店鶴屋を、人々はしゃれてカフェー・クレーンと呼んだ。
    戦災復興記念館 収蔵

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