作家挨拶

伊達藩窯として三百有余年、代々大物師として焼物を造り続けてまいりました。 安政年間の頃、六世乾山三浦乾也に「乾」の一字と「乾山秘伝書」の写しを許された初代乾馬と、 大物ばかりではなく人形師としても高度な技を持った弟祐蔵嘉高から受け継がれてきた技法や精神は、 その子嘉春、そして二代乾馬嘉長(二代嘉春)、第二十七回河北文化賞を受賞した三代乾馬嘉孝(乾翁)、 そして四代乾馬の私へと受け継がれ、茶陶をも手掛けるようになり、中央でも認められるようになりました。
今回仙台開府四百周年の行事としてせんだいメディアテークの展示場を使用しての作品展をとの御誘いを頂き、 堤焼愛陶家の皆様に相談した結果、「堤焼らしい大物を」との声に後押しされましたので、 私乾馬を中心に、愚息久馬、和馬、ならびに門人の松山、亀山という最高のスタッフで堤焼本来の黒と白の海鼠(なまこ)釉、 緑釉などを中心に制作いたしました。
今までの重厚さの上に壱粍(ミリ)の創作性を加えて、若さとのびやかさを表現した作品に仕上げました。
三百数十年続いた堤焼の歴史の中で、そこに携わってくれた幾人もの優秀な職人達に敬意を表し、 今後更に良い作品を造り続けていきたいと思います。

堤焼乾馬窯 四代 針生乾馬


作家略歴

1927年宮城県仙台市出身 北五番町高等小学校卒業  父 堤焼3代乾馬に師事
1953年仙台工芸青匠会展出品
1954年藤崎百貨店にて個展開催
1955年仙台三越にて個展開催
1956年東京日本橋・三越本店にて茶陶個展開催 三軌展で新人賞受賞
(74年会員努力賞受賞)伝統工芸新作展初入選
1963年4代乾馬襲名
1973年日本陶芸展出品
1974年宮城県芸術選奨受賞
1980年陶光会全国陶芸展で陶光会賞受賞 (82年陶光会会長賞受賞)
1983年全国陶芸展で文部大臣賞受賞 (85年内閣総理大臣賞受賞)
1993年宮城県教育文化功労賞受賞
1997年仙台市教育文化功労賞受賞
2000年文部大臣地域文化功労者表彰
2002年せんだいメディアテークにて『伝承の堤焼 針生乾馬展』を開催
現 宮城県仙台市在住

作品紹介

  1. 辰砂窯変花入/しんしゃようへんはないれ
  2. 玉壺/ぎょくこ
  3. 花瓶(青陰)/せいいん
  4. 花瓶(泉緑)/せんりょく
  5. 桐灰釉花入/きりばいゆうはないれ
  6. 墨衣大壺/すみごろもおおつぼ
針生乾馬写真


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