この1年間、1日約3000人、年間100万の人たちが、ここに集い、語り合い、作業するのを眺めてきました。 そうしたなかで気がついたのは、一般には、新しいことには距離を置き、慎重だと言われる仙台人の中に、意外と血気盛んなものがあるということです。
彼らの血を熱くしているのは、もちろん、チューブです。「目障りだ」とばかり、遮蔽幕で覆ってしまう人、えいやっと、上から下まで、クリーニングハンガーを巻きつけ全体をオブジェと化したグループ、よしずをたてかけ団扇を配した団体等々。
このメディアテークの空間を手なずけようと繰り広げられるさまざまな挑戦をリアルタイムで見ることができたのは、我々スタッフにとってもよい経験でした。公募展のスタイルを変えるという地味ですがある意味で困難な一歩を踏み出すことができたのも、多くの方々のお力添えはもちろん、「ここならそれもありかも」と思わせる空間のマジックが働いてのことと思います。
一見気さくですが、芯が強く、プライドを秘めたメディアテークという存在とこれからどう付き合っていくか。楽しみな2年目が始まりました。
