中国にいると公共のサービスってなんなのだろうかとよく考えさせられます。こちらの図書館や博物館に行っても大仰だったり無味乾燥だったりあんまり楽しい気分になる感じのところじゃないし。
そんな中で私が中国で好きな文化的な場所を1つだけご紹介すると、「外語角」と呼ばれる外国語のフリーサークルでしょうか。これは何か特定の建物があるわけではありません。去年私は瀋陽という町で働いていたんですが、そこの中山広場というところでは毎週金土日の夕方6時から9時くらいの間に「外語角」が出現します。なんのことはないそこにいくとみんな外国語をしゃべっているだけの場所ですが。想像してみてください、中国人が朝の勾当台公園駅くらいの密度で集まって立ち話していて、しかもみんなが英語をしゃべっているというのを！ そこでは英語の「英語角」のほかに日本語を話す人たちが集まる「日語角」もあって、たまに瀋陽在住の日本人も来るので、日本人同士の情報交換もできたり、観光客の飛び入りがあったりしました。 こういう場所の面白いところは、何か役所の側で用意しなくても、口コミで情報が広まって自然と人が集まってくるということなんだと思います。そこに集まるのが楽しいという意識が持てるような場所があることも大事でしょう。今の仙台だとフォーラスの前などはそういう力がある場所でしょうし、smtでもそういう場所が成り立ちうるんじゃないかと思います。想像してみてください、7階のチューブ13の裏あたりで、日曜午後の三越の1階並みの密度で人が集まっていて、しかもみんながばりばりの東北弁だけを話しているというのを！ いや手話でもいいし、韓国語でも英語でもいいんですが。考えてみるだけでもうきうきするんですけどね、私は。
