「いくら好きだからって、記念碑まで建てるんじゃありません」とか、「記念碑を通して世の中に伝えたいことを言ってみろ」などという話は聞きません。でも「仙台八景」とは、文字通りそんなことを参加者全員でやったワークショップです。自分の記念したいことについて記念碑を作り、その記念の地に建立しに行く、という。
私は今、自分の中で最もホットな存在である近所の和菓子屋「あさべや」とそのお菓子の素晴らしさを称える記念碑を作ることにし、すぐに「あさべや」に取材。唐突な申し出にお店の方はさぞかし訳わからなかったでしょうに、建立を快くOKしてくださいました。私は「あさべや」のおかげで「柏餅・みそあん」の本当の美味しさを初めて知ったので、その時の感動をしみじみと思い出しながら作ったら、像は柏餅を持った自分の姿になりました。題して「『あさべや』を愛でる碑」。
私が一番嬉しかったのは何よりも「あさべや」さんが喜んでくれたこと。店主さんが記念碑の前で記念撮影したり、職人さんやそのご家族が次々にsmtの「仙台八景展」に見に来てくれたり。私の造った像は「あさべや」のお菓子の素晴らしさという、すでに世の中にある物を称えるはずの記念碑なのに、記念碑によって人のつながりができたりして。「『あさべや』を愛でる碑」はいつの間にか私とみんなの気持ちを記念する碑となりました。
