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せんだいメディアテーク
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一緒に育つ場所写真

私が牛乳のキャップを集め始めたのはハッキリとは思い出せないのであるが、確か昭和30年頃だったと思う。小学校への通学路に牛乳工場があり、帰り道、毎日そこで道草を食っていた。現在の仙台市消防局付近である。現在では考えられないが、その工場には様々なメーカーのビンが回収されてきており、おのずと何種類ものキャップが手に入った。

その頃仙台市内には25軒の中小ミルクプラント、いわゆる牛乳工場があり、様々なブランドの牛乳が製造されていた。そのほとんどは配達牛乳で、現在のような店頭売りは駅の鐵道弘済会(現在のキヨスク)くらいなものだった。いつしか私の行動半径も広がり、小学校6年生の時点でキャップの種類はたぶん100を超えていたろうと思う。

こうして始まったキャップコレクションだが、最近では少しは人に知られるようになり、いろいろなイベントで出品要請を受けるようになった。メディアに取り上げてもらう機会もあって、キャップを送ってくれる協力者も現れ、現在は約2000種類を保有するに到った。またsmt開館プレイベントや開館イベントでも展示の栄に浴し、さらに同じイベントで講演したニュースキャスターの筑紫哲也氏に直接お褒めの言葉を掛けられたこともいい思い出である。

そんな日々を送っていた昨年夏、「きんとうん出版」から「MILK CAP」という本の出版協力をしてほしいと持ち掛けられた。仙台の和田という男がキャップを集めているという話を聞きつけてきたらしい。大層嬉しい話であり、二つ返事で承諾した。先頃立派な本が出来上がり嬉しく思っているが、これも出版社をはじめ、多くの皆さんのお蔭だと人の輪の有り難さを感じる毎日である。