子ども未来フォーラムは、1997年から継続して、子どもと子どもにかかわる大人を対象とした活動を年間を通して行っている。その実行委員である私は、定禅寺通での子どもフリーマーケット、西公園での屋外遊び等とともに、smtを使用して、「秋のこどもの日」と題した合同イベントを主催した。
オープンスクエアでのプログラムは「こどものまち」。2年に一度ドイツのミュンヘンで開催される「ミニ・ミュンヘン」を仙台風に味付けしたこの企画に、事務局に往復はがきで申し込むという時代に逆らうやり方で募集したにもかかわらず、1200人もの申し込みがあり、抽選で当たった300人の小学生と40人のボランティアの参加で、ケーキ屋・碁会所・缶バッチづくり等の工房の他、銀行や職業紹介所など14の職場で、「市民として暮らす」ことを楽しんだ。仕事をしない自由も保障されていたが、働けばここだけで使える通貨：フォーラム(日本円との両替はできない)で給料をもらえ、各工房で制作される作品を購入することができる。市民であるから納税の義務もあるし、選挙に参加する権利もある。当選した市長の最初の仕事は「ゴミのかたずけ」。公約通りに環境問題に自ら取り組む姿勢を示した。見学の大人には、市役所から年齢にかかわらず年金が支給され、お客として参加していただいた。
子ども達は夢中で働いた。労働に対する対価が受け取れるという喜びに、自分そのものが必要とされ認められるという思いが加わり、日常の暮らしの中ではなかなか味わえない量と質をもったエネルギーがsmtを満たした。smtから発信する仙台オリジナルの活動の輪がますます広がっていくことを、行動する利用者の一人として期待する。
