私たちが知り合ってから、約25年ほどになります。今ではよき親友として共に写真を楽しんでいます。
7、8年位前になりますが、二人で写真とは何かと徹夜で話し明かしたことがありました。これからの二人にとって何が大切で何を残せるのか……。結論は＜二人のセルフポート＞でした。それが現在の「二人のアルバム」に至っています。
私たちは様々な場所へ撮影に行きます。場所にあった衣装、ポーズや表情を考え、演出ができたところで、せいの、カシャっと写真を撮ります。カメラに向かって二人ともポーズするので、どのように写るか、撮る段階ではわかりません。仕上がった作品をみると二人の他に撮影者がいるように思われますが、二人だけで撮影しています。演出が凝っているので、まるで劇映画のスチール写真のようになりますが、私たちは特別意気ごんでいるわけではありません。ただ、「今」を大切に楽しく生きたいと思っているだけです。
どんな若者にも老いがやってきます。カメラマンとして、また親友として私たちに残せるものを考えたとき、それは「今」の生き様をさらけだし、写し取ることなのかなと思いました。楽しいだけの人生はありえないし、作風もこれからどう変わっていくかわかりません。だからこそカメラの力を借りてフィルムに固着し、時間の化石を誕生させるのです。
この度せんだいアートアニュアルに参加して、若い人たちのアートに対する自由な発想や表現、主張を目の当たりにし感動しました。この感動をエネルギーにし、これからの製作に向けて、さらなる探求をしたいと思います。
