展覧会を見ながらおしゃべりをすることは、どのくらい許されているのだろう?――多分、ほとんどの人は、あまり口を開かないと思う。私自身もたまに仲間同士で、薀蓄を傾けているのを聞くと、「あぁ〜、うるさいなぁ。勝手な話をしないで!」と思うから。
でも、それはある意味では、とても不幸なことかもしれない。特に、わからないことに関して定評がある「現代アート」については。「これって何?」と思ったら、とりあえず隣の人に「どうしてこんなことしてるんでしょうね」と聞いてみる。たまには、そんなことが自然にできる場があってもいいのではないかと思いませんか。
アートアニュアルの審査会場を埋めた大勢の人たちを見、出品者の話を聞きながら、来年の会場の入り口には、「どうぞご自由にお話しください」という看板を立てようかと考えていました。