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せんだいメディアテーク
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未知への旅をしよう写真

先日、「図書館フェスティバル」に参加しました。このまちで活動する本の玄人たちが、図書館とともにつくりあげた企画です。私どもヤングアダルトプロジェクトは、もっと市民図書館をオープンにして、図書館を身近にできないものかと試行錯誤の結果、バックヤードツアーなる市民図書館の裏側探検を企画しました。それはメディアテークで普段入れない向こう側(運営側)に入ってみようという企画でした。

そこでわかったことは、ツアーのなかで職員の方と交わした挨拶や説明のなかで、普段手にとってなにげなく読んだり、借りたりしている本がどのようにして手元に届いているのかを知ることができる、ということです。知らなくても本は借りられますが、知っていると得する「何か」はあるなと思いました。その「何か」とは、運営側は業務として行う、利用者側は当然受けられるべきこととして受ける、単なる「サービス」としてだけでは捉えられない、お互いの交流の大切さではなかったかと思います。

準備から本番まで、私たちはボランティアとして図書館とともに運営側にまわりましたが、職員の方にとってはこのイベントを実施するという業務上の観点から、当然イベントを管理しなければならないということもあり、「協働」といってもどこからどこまで私たちが自発的に行ったらよいのか少し悩みました。ですが、ときに意見がずれながらも、それでも館長のパーソナリティーで上手に信頼関係がうまれていきました。特に、ツアーをいっしょに企画した若手の職員の方とは、ごはんを食べたり、図書館について語りあったり、同じ目標にむかって一体感がうまれました。そうした経験を豊富にしていかないと、ほんとうの意味での「共同」も難しいのではないかと思います。

固定的、一方的な「サービス」ではなく、運営者と利用者が相互に知的・創造的活動を支援しあうことのためには、それらをつなぐ私たちのような橋渡し役、あるいはお互いに創造的建設的に刺激しあう模範となる理想的施設利用者、あるいは施設との新しい関わりを切り開くエクスプローラー(言いすぎ?)はとても重要なのだとあらためて感じたのです。私たちが、そんな役を少しでもできたなら、ちょっとは自慢にしたいものだね、と仲間と話しています。