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せんだいメディアテーク
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バス停<メディアテーク前>と定禅寺通り写真

今年、3月22日から24日の会期で、MIDECユニバーサルデザイン研究会主催の「ユニバーサルな新しいバス交通のかたちパート2」がメディアテーク1階の会場にて開催された。 私が提案したAタイプのバス停は、超現実的に、今のバス停の機能(可動式で、倒れにくく、バス停名が記してあり、時刻表が貼ってある。)をそのままにして、いかに新しい、ユニバーサルデザイン的な発想で改善できるか試みたモデルである。 従来、コンクリートの土台にパイプの支柱があり、鉄板の時刻表掲示パネルとバス停名を記したプレートが付いている、前近代的産物のような構造露出型公共物である。 とにかく汚い物が堂々と町の中に存在している。今回のフォーラムでも述べたが、設置する側も利用者もこんな汚いものを町中に置いてはいけないという美に対する規範のようなものがあるべきだ。 私は、定禅寺通りのメディアテーク前というシチュエーションは、様々な意味を投げ掛けているように思えてならない。仙台を代表する美しい街並み、日本を代表する建築物の前という舞台なのである。バス停とは、バスの乗降する場所のサインとともに時刻を知るための情報ツールでもあるが、それ以前に街並みを構成する一つの要素であることを見失ってはいけない。そこでデザインは、土台であるコンクリートのパッケージ化から発想した。 見せないように包み込んで、安全性が高まり、しかも安定している。また、そのパイプ状のものが構造体になっている。時刻表の見え方の改良案として、2面に同じ情報が掲示され上下にも視線の高低を配慮した掲示を行う。3角柱のようなシンプルな物体が、アルミのヘアーライン仕上げで柔らかく景色を写し、過度に存在感を強調させない。夜間は、太陽電池パネルで蓄電した電力を利用して時刻表が明るくなり見やすい。このようなバス停でも町を変える一つの起点になると考えられる。メディアテークが出来て定禅寺通りがより魅力的になり、そして、メディアテークのある定禅寺通りが仙台をより魅力的な町に変えつつある。一つずつしっかりデザインされた物、美しい物が増えれば日本ももっと美しく素敵な国になるだろう。