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せんだいメディアテーク
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緑の龍写真

定禅寺通りのケヤキ並木を、通り沿いのビルから俯瞰するのがとても好きだ。2階から見るケヤキと3階から見るケヤキは、確実に表情が変わって見えるから面白い。

5月の連休中、smtオープンカフェ「定禅寺のはなし」のコーディネートを担当した。定禅寺通りで、お祭りやイベントを行なっているキーパーソンに、気楽に「定禅寺のはなし」をしていただこうという趣向だ。

初日は、「とっておきの音楽祭」副委員長の藤野準さんと、定禅寺通り街づくり協議会事務局長かつハロー定禅寺村村長でもある米竹隆さん。今年で第3回となる「とっておきの音楽祭」は、「みんなちがってみんないい」を合言葉に、障害のある人もない人も一緒に楽しむ、心のバリアフリーを目指す音楽祭。継続していけば、仙台の道路や建物施設のバリアフリー化にも大いなる刺激を与える祭りとなることだろう。2日目は、「仙台青葉まつり」の副委員長ですずめ踊り担当の千葉真弓さんと、「杜の都のアート展」の委員長・中村喜吉さんと副委員長の佐藤裕子さん。千葉さんは、春になるとケヤキの葉の成長が、5月の青葉まつりまで間に合うか毎年心配になるという。仙台の粋な踊りとして定着した「仙台すずめ踊り」は、定禅寺通りのケヤキの緑の中で舞うのが、一番美しい。11月3日の文化の日に行なわれる「杜の都のアート展」は様々なジャンルの手作りアートが登場する。最終日は、定禅寺ストリートジャズフェスティバルの委員長尾崎行彦さんと、SENDAI光のページェントのアドバイザー瀬戸克而さん。お祭りの立ち上げと継続の苦労話を聴くと、祭りは最低10年続いて、新たなものが見えてくる事を実感した。生まれも育ちも定禅寺通りという米竹さんの話の中で、道路幅8mだった定禅寺通りを拡張する際、近所の住民は家屋の移動や土地の供出を、無償に近いかたちで協力したから現在の定禅寺通りがあるという言葉が心に残る。

smtの最上階から定禅寺通りのケヤキ並木を眺めると、定禅寺通りを守りながら生息している緑の龍の様に思えた。そういえば、仙台藩祖の伊達政宗も独眼竜。この街がずーっと緑の龍とともにあらんことを…。