このページは映画「雨あがる」のあらすじなどを紹介しています。

あらすじ

伊兵衛が対戦相手と向かい合っている。

享保時代。武芸の達人だが不器用で仕官がかなわない武士、三沢伊兵衛とその妻たよ。長雨が旅の途中にある夫婦を宿場町に足止めさせる。二人が泊まる安宿には雨が降り止むのを待っている人々が大勢いた。そんな彼らの心をなごませようと伊兵衛は禁じられている賭試合で金を用意し、酒や食べ物を振舞う。人々に笑顔が戻ったとき、雨もようやくあがった。やっと外に出られた伊兵衛は偶然若い侍たちの果し合いに遭遇し、懸命に彼らを止めるのだった。その様子を藩の城主である、永井和泉守重明が見ており、伊兵衛に藩の剣術指南番の話を持ちかける。


解説

故黒澤明監督(くろさわあきらかんとく)が最後まで映画化をあきらめなかった作品である。
山本周五郎の短編小説を原作とし、ラストシーンのみを残して未完となっていたシナリオを、黒澤監督に28年間師事していた助監督小泉堯史(こいずみたかし)が、初監督作品として挑み、黒澤明監督ゆかりの撮影スタッフなどが再び集結して完成させた。
「見終わって晴れ晴れした気持ちになるような作品にすること」黒澤監督のメモにはそう記されている。
この言葉のとおり、この映画は見終わったあと、晴れ晴れした気持ちになるような作品に仕上がっている。


■原作/山本周五郎(角川書店刊/新潮文庫『おごそかな渇き』より)
■監督/小泉堯史
■脚本/黒澤明(くろさわ あきら)
■撮影/上田正治
■配給/東宝・アスミック・エースエンタテインメント
■2000年作品 上映時間 91分

■キャスト
三沢伊兵衛 寺尾聰(てらおあきら)
三沢たよ  宮崎美子(みやざきよしこ)
永井和泉守重明(ながいいずみのかみしげあき) 三船史郎
榊原権之丞(さかきばらごんのじょう) 吉岡秀隆
石山喜兵衛(いしやまきへい) 井川比佐志(いがわひさし)
おきん 原田美枝子
説教節の爺(せっきょうぶしのじい) 松村達雄
辻月丹(つじげったん) 仲代達也