戦前の日本映画界に彗星のごとく現れ、わずか5年の間に26本の映画を撮った天才監督・山中貞雄(1909−1938)。戦前戦後のスターたちが演じた片眼片腕のヒーロー・丹下左膳のなかでも屈指の名作と言われる『丹下左膳餘話 百萬両の壺』(1935)を監督した彼は、28歳という若さで戦場に散りました。
監督作品のうち、ほぼ完全なかたちで残っているのは、『丹下左膳餘話 百萬両の壺』(1935)『河内山宗俊』(1936)『人情紙風船』(1937)の3作品。その3作品をニュープリントで上映するほか、脚本作品等もあわせてご覧いただきます。そして、弁士・伴奏付き上映(2月6日の『水戸黄門 血刃の巻』)、映画評論家の蓮實重彦氏と映画監督の青山真治氏の対談(2月7日)も予定しています。
独自の感性とリズムで等身大のヒーローを描いた山中貞雄の世界をご堪能ください。