せんだいメディアテーク



メディアテークの日々の活動をお知らせします。

2010/06/24
開館10周年事業「いま、バリアとはなにか」レポート1

いま、バリアとはなにか。この問いに対して、あなたは何を考えるでしょうか?。バリアとおぼしきものや事柄を挙げてみる、バリアのあり方や意味を考える、など、どこまでも思索は広がりながら、一つの答えに結ぶことは難しいのではないでしょうか。バリアフリーというフレーズは良く耳にします、しかしバリアそのものについて考えてみるとこれは難問です。開館10周年事業では、秋口の公開に向けて、アーティストや参加者の人たちが、美術や音楽など、さまざまな芸術表現によってこのテーマに挑んでいます。
 6階ギャラリーでの展示を予定している小山田徹さんと藤井光さんは、バリアとはなにかというテーマを考察し、それぞれの表現手法によりながら協働で一つの空間を作品化しようとしています。ここで実現しようとしていることは、一つに、私たちの日常生活にあふれるモノたちについての再考です。役割を終えた途端にゴミに変化し、すばやく処理され目に触れない状態におかれていくモノたち、その定められた認識を一旦外して、一つ一つについてゆっくりと眺めてみることで、利便性や効率性の追究だけではない社会のありかたを考えてみようとしています。もう一つは、映像という情報メディアと私たちの関わりについて捉え直すことです。映像という即応性と影響力を獲得した強靱なメディアを、私たちはどのように利用していくべきなのでしょうか。さまざまな情報インフラからひたすらに受容し続けるのではなく、個人から社会への発言のために用いていくこと、生への前向きな欲望を表現していくことはできないのでしょうか。そのためには、写真機で問われたときと同様に、撮影者、編集者、被写体の身体や環境について、見る人が身を投じる想像力を働かせることが求められます。
 制作はまだ入り口に立ったところですが、バリアフリーを成すこととは、利便的な心地よさを実現することではないということ、そして、このバリアをめぐる思索の困難さこそが、未来へつないでいく私たち社会の「動機」ではないかということをみなさんと考える機会としたいと思います。
(K.S.)
○小山田徹さんの作品制作に協力してくれるかたを募集しています。詳しくは以下をご参照ください。 http://www.smt.jp/anniversary/10th/how_barrier_is/6f/cooperation.html

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