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せんだいメディアテーク
980-0821
仙台市青葉区春日町2-1
電話 022-713-3171
ファックス 022-713-4482
office@smt.city.sendai.jp
http://www.smt.jp/

 

写真

今回、4月に行う展示の準備のために、初めてせんだいメディアテークという場所に来ました。私にとってのメディアテークは、入り口から印象的でした。それは点字ブロックの置かれ方です。多くの場合、屋内には点字ブロックが敷設されていても屋外にはされておらず、内外が連続していない。ですが、ここはしっかりと外から内まで続いて誘導してもらえるのがなるほどと、好感をもてました。次に行き着いた受付カウンターは、どうも真っ赤な色で目立っているようなのですが、触って感じ取っている私にも、大変刺激的でした。というのも、フォルムはあまり規則的でない湾曲面に仕上がっていて、一種の遊具のような楽しさを感じたからなんですね。私は触覚を中心に知覚する平面絵画の作品を多く制作しているので、非常に興味を持ちました。触るといえば特に「触る模型」はいいですね。これは建築模型で、現在地と建物内部の位置を知り、触る場所に応じて音声案内が聞けます。これまでの多くの公共的な会館の場合、たとえ立体の地図になっていても、壁に掛けられていると、どうしても頭の中で置き換えて考えるのが煩わしいときがありますよね。でもここは床と平行に設置されており、イメージもしやすい。今度の「仙台」の街をテーマとした私の新作も、スキャントークリーダーという音声で表現する道具を利用する作品なので参考になりました。

しかし、トイレの内部構成が各階バラバラだったのが、ちょっとだけ残念でした。ただ、建築の特性上、水回りを集中させなくてはならないというレイアウト上の困難を逆手にとって、様々なトイレの要望に応えようと、フロアごとに異なる種類のトイレを設置したという考え方は非常に面白かったです。とすれば、その様々なトイレの便器の位置がわかるような立体トイレ内部マップがあるとうれしいでしょうね。便器を手探りで探すというのはつらいですから。施設自体、本当にユニークだと思いますし、こういう施設を使える市民の皆さんはとても幸運だと思います。