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せんだいメディアテーク
980-0821
仙台市青葉区春日町2-1
電話 022-713-3171
ファックス 022-713-4482
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一緒に育つ場所写真

私はsmtで委託業者として映像・音響・照明機器、舞台、オープンスクエア、7Fスタジオシアターの管理を担当しています。管理業務と一口に言っても、実際には私たちの仕事は、相手の要望を聞き、それを実現するための技術的なアドバイスをするというコンサルのような範囲まで含みます。機器のみに関わっていればよいというものではなく、それらの効果は会場全体に及び、場の雰囲気を左右するものなので、会場全体、内容全体を把握しなければ、効果的で適切な機器選定や演出効果は期待できません。イベント空間という完結した世界では、全ての出来事は厳密につながっているのですから。施設や機器自体は当然smtの物ですが、それを活かすも殺すも、それを利用する方と私たちとの共同作業次第です。

smtの施設の一番の特徴といえばなんと言っても、公開空地とされている、1階オープンスクエア+大開口部という、定禅寺通りからひと続きの開かれた空間です。公開空地としてあるこの空間、通常のホールの考え方はなかなか通用しないんです。壁が無いので光は様々な方向から差し込んでくるし、お客様もどこで見ているか想定しづらいし、そもそも演者の位置すら決まって無いし。ここで既存の型にはまっていては、smtは何か使いづらいなぁ、という印象で終わってしまうでしょう。でも逆に言えばそこに可能性があるわけで。smtとは、「空間は自由に使えるけれど、あなただったらどう使う?」という挑戦状そのものであるわけです。

その挑戦状はあなたにだけ届けられたものではありません。このような施設では、私たちスタッフもその能力を問われます。施設をよく理解し、利用者へのガイドとして利用方法を提案できるような力を持つよう、スタッフ自身の研鑽が不可欠です。

だからこそ事前の打ち合わせの時点から、利用者も、我々もお互いに「お客さん」として遠慮せず、共同作業していくことが肝心です。カベの無い、何もない、無い無いだらけの空間では、普通のホールであればすべてそろっているはずの、照明も、映像・音響設備も、ステージも、座席も、すべてを作り上げなくてはなりません。世界を一から構築するようなものです。だから、利用者もsmt職員も、もっと私たちを引っ張り出して欲しいと思います。私たちがもっと面白い世界をお教えできるかもしれないのですから。