最近、建築上の特徴を評価していただく声だけでなく、さまざまな活動を行うときの使い心地やメディアテークを訪れたときの雰囲気のようなものに対して評価をいただくことがあります。
とかく日本の文化施設はハード先行といわれますが、今ここには、ハードとソフトという対立を越えて、「場」としかいいようのないものが生まれつつあるのかもしれません。
独特な建築とそこで行われる活動、そして、通りがかりの人まで、古典的な引力のたとえ話のように、おたがいに影響しあいながらメディアテークという「場」は作られています。柔軟に変化しつつ、時にあやうげでもあるそれは、ハードであると同時にソフトでもあるのです。そしてそれは、いずれ建物の内側だけではなく、外にも影響をもたらす「磁場」といわれるようになったらおもしろいだろうと思います。