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せんだいメディアテーク
980-0821
仙台市青葉区春日町2-1
電話 022-713-3171
ファックス 022-713-4482
office@smt.city.sendai.jp
http://www.smt.jp/

 

写真

私たちは、複合的な機能をもつ施設空間のあり方についての研究のひとつとして、メディアテークの来館者調査を行っています。そこでの調査をもとに、ある日の断片をスケッチしてみます。

ここには平均して1日3000―4000の人が来ています。ある時間に100人の来館者がいれば、その人達は東西南北にある4か所の入口からじわじわと入ってきます。その数は南口約63人、東口約26人、北口約10人、西口約1人です。このじわじわを観察すると、4方向から異なるスピードで舞台上を歩く役者のようです。 滞在時間をみると、約3割の人達は30分以内で帰りますが、約1割は3時間以上留まっています。まるで、買い物だけしてぱっと帰るOLと、だらだら立ち読みする学生が混在するコンビニです。 また、ここを訪れる人の約半分は複数の階を利用していきます。特徴的なのは、3階(図書館)を中心とする層と7階(スタジオ)を中心とする層の2つに分かれることです。特に7階を利用している人の多くは、ビデオや機材を借りるだけではなく、5・6階での展示や館内のヴォランティア活動にも関わっているようです。昨日はビデオを借り、今日はスタジオ機材を借りる。時にはクレームを言う。同じ人が日によって異なった関わり方をしていることが結果から読み取れます。

しかし、館内すべてを使いこなしている人はまだほとんどいないようです。このじわじわ型のコンビニの倉庫にはまだ何かが隠されているかわかりません。その倉庫から何が引き出されるのか。どのようにじわじわ利用されていくのか。そのプロセスが私たちの次の興味になりつつあります。(調査結果はsmt dataをご覧下さい。)