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せんだいメディアテーク
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一緒に育つ場所写真

「ポエトリーリーディング」って何かと訊かれることが多いのですが、それをするのが僕の仕事です。「詩の朗読」これは僕には出来ません。今回8月9日―11日にsmtオープンカフェで、僕は中原中也と僕の詩を読みました。僕は、ポエトリーリーディングを「詩は生きているので、心で読む」と考えているので、その3日間は、まさにライブそのものでした。

言葉は生きています。発信する人によっても、受け止める人によっても、全然違うものに響きます。日常には、これだけ言葉が溢れていて、その中で僕達は感じ、考え、こんなに行ったり来たりしているのに…。詩や文学が、そのコミニュケーションする意思や力を失い、日常から遠くなって、どれ位の時が経っているのでしょう?

では、僕自身は? 中也に出会って、詩を書いていこうと思ってから、どれ位生きたのか? N.Yのカフェでリーディングに出会い、日本語のリーディングのスタイルを確立したいと思った時から、どれ位時間は過ぎたのか? そんなことを考えながら、ライブはスタートしました。オープンカフェに言葉。僕と中也。そして、たくさんの人。そこには、僕が何年もかけてしてきたことの、一つの成果があったと思います。そこで、言葉は考え、踊り、泣いて、笑い、テーブルの会話にお邪魔をしたり…。射し込む光によって、柔らかくなったり、人混みの中で緊張したり、形や大きさを変えながら、行ったり来たりしていました。smtの空間に言葉を残すこと、言葉を溶かしてしまうこと。原稿用紙の上から言葉と出かけて、こんな幸せ、滅多にないと思いました。