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せんだいメディアテーク
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一緒に育つ場所写真

「メビウスの卵って何の卵?」とよく尋ねられます。「メビウスの卵」はメビウスの輪を発見した天才数学者「メビウス」の名前と常識を覆すユニークな発想を意味する「コロンブスの卵」から考え出された造語、そう、「メビウスの卵」はびっくりとひらめきから生まれた卵なのです。

「メビウスの卵」展は1990年に東京のO美術館でスタート、科学・芸術・福祉を3本柱に講座・展示・ワークショップをリンクさせる新しいかたちの展覧会として注目を浴びています。O美展からこれに関わっている私は、仙台でも地元の作家・研究者と共にやりたいと提案。仙台実行委員会を立ち上げることで95年から全国に展開し、協力しあいながら各実行委員会が独自の展覧会を行う現在のシステムができました。 仙台実行委員会には美術作家・科学者はもちろん映画・音楽・演劇・航空関係者など多様な分野の才能が集まっています。一見関係がなさそうですが、異なった分野が集まる中で新しいアイディアが生まれてくるのです。メビウスの卵のエッセンスは知的好奇心と遊び心。子供の元気な声や音が響く展覧会場と「触る」「中に入る」「頭にのせる」など今までとは異なる作品との関係に戸惑いを覚える方もいると思いますが、作品に触れ、遊び、考えながら一緒に展覧会を楽しんでほしいと思っています。

私たちはこの展覧会を多領域のクロスロードと位置づけています。科学・芸術・福祉の関わりやプレゼンテーションの方法について考える場。現代美術の今後の展開として期待されるインタラクティブなリレーショナルアート、サイエンスアートなど新しいアートやワークショップのかたちを探る実験の場。様々なバリアを崩し、作品と人、空間、地域を繋ぐコミュニケーションの場。物理的なだけでなく意味的にも広くつながりある展覧会空間を創り出し、異質なものが出会い、出来事が生まれていく場にしていきたいと考えています。「メビウスの卵」から何が生み出されていくか。今後の展開にご期待ください。(2002年は仙台、多摩、富山の3カ所で開催)