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せんだいメディアテーク
980-0821
仙台市青葉区春日町2-1
電話 022-713-3171
ファックス 022-713-4482
office@smt.city.sendai.jp
http://www.smt.jp/

 

一緒に育つ場所写真

このくらい大規模な施設の空調は、ふつうメンテナンスのことやドラフトと言って送風口から出る風の影響などを考えて、上からの方式にするのが一般的ではないかと思うのですが、メディアテークでは1階・6階・7階は上からですが、2階から5階 までは、床からの空調になっています。

なにしろ、これだけオープンなところで、部屋ごとに調節できるわけではないので、開館前には、全体にうまく熱が均一化してくれるかどうか心配でした。あちらに冷えた空気、こちらは温かい空気と団子になってしまっては困りますからね。

幸い、何度かの調査でも、うまく気流が動いていることが検証できて、みんなでほっとしたということがありました。心配したドラフトの影響、例えば足元に冷たい空気が来て寒いとか、そういう苦情も聞いていないので、全体としてはうまくいっていると思います。

けれども、なんと言っても、ガラス1枚で外と接しているわけですから、南側と北側では、まったく外気の状況が違いますし、日中は来館者の数によってもかなり影響を受けます。今の利用者の方々は、どこでも快適な環境で過ごしているので、ちょっとした温度差にもとても敏感です。朝一番にその日の天気を見ながら温度を設定し、10時の開館後、午後のピーク時、夕方と少なくとも1日に3〜4回は、0.5度きざみくらいで再調整をします。一番危ないのは、朝曇りで、途中から日が照ってきたような時です。館内の点検などでうっかりしていると、気がついた時には、もうクレームです。最初の1年は、そのへんのコツがわからなくて結構「しまった!」と思ったことがありました。

冬場もただ暖めていればいいというわけではなくて、除湿と加湿の兼ね合いがむずかしいですね。結露を防ぐために、空調機に戻ってきた室内空気をさらに冷やして水分を抜き、そのまま送風すると寒すぎるので、温水で暖めてから出すというようなこともしています。専門的には、加湿設定と除湿再熱設定の変更といいます。そんなこんなで、裏方ならではの苦労もありますが、みなさんの縁の下の力持ちとしてこれからも臨機応変に頑張りたいと思います。