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せんだいメディアテーク
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あたりまえの運営への関心
<no.13への返信>

奥山恵美子 せんだいメディアテーク館長


かつて全国津々浦々に大型ホールが建設された頃、その年間稼働率はきわめて低く、文化はハードではなくてソフトだという話が声高に論じられたものだった。当時喧伝されたソフトとは、館でおこなう主催事業のことだったと思う。いかにおもしろい企画を舞台にあげるか。

一方、このところ何人かお話した視察やゲストの方々の問題意識はそれとは少し違うようだった。主催事業がハレの日とすれば、ケのこと、つまりは毎日の運営のことこそを知りたいのだと。

「公共空間がだらしなくならないコツは?」「自律的なボランティア活動の展開の可能性は?」「コアとなるリピーターはどこから?」等々。いずれの方々も「ハレの日にどーんと花火を上げるだけなら簡単。でも、快適でしかも活気にあふれた日常を創り出すのは難しい」と言われたのが印象的だった。日々の過ごし方を見つめ直すことは、個人のレベルだけでなく、施設の間でも、一つの底流になっているらしい。