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せんだいメディアテーク
980-0821
仙台市青葉区春日町2-1
電話 022-713-3171
ファックス 022-713-4482
office@smt.city.sendai.jp
http://www.smt.jp/

 

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第一次オイルショックがあった昭和49年頃から、定禅寺通りの街づくりに関わりました。その頃の定禅寺通りは、県民会館と市民会館はあるものの全体的には、けやきに似合う街並みとはいえなかったと思います。そういう中でも、一番町商店街や昔からここに店を構えていた米竹さん、残間さんなどの若手経営者のみなさんが、素晴らしいけやき並木という財産があるんだから、魅力ある街づくりをしようという意欲にあふれていましたので、商工会議所としても、市さんとも一緒にやって行こうということになりました。

定禅寺通まちづくり協議会を設立し、通りの調査をしたり、街区全体で建物や看板を地域にあったものにするための地区計画を策定したり、ジャズフェスなどのおまつりがわきおこったり、さまざまなことを行ってきました。これだけの大都市の中心部で、いろいろな利害をかかえている人たちが、私権制限となる地区計画に全員同意したというのは、ひとえに、けやき並木があったからだと思います。そうした中で、将来構想の一つとして、この街にふさわしい文化施設がほしいという話が出て、旧市民ギャラリーの期限付き移転の話があったので、これはいいと思いました。並木には、アートが似合いますからね。当時の地主さんに、地元の人たちと将来ビジョンを持ってお願いに行ったことなど、いまはなつかしい思い出です。

メディアテークがオープンしたことは、本当にこの地区に大きな刺激を与えましたね。人通りがすごく増えました。勾当台公園駅からここに来る途中のカフェのご主人のお話では、週末には一日100人お客さんが増加したそうです。今は、みなさん物は持っていますから、品物があるというだけでは簡単に買い物に来てくれません。何かそこに心を動かすようなアートとか、楽しいイベントとかがあって、初めて行こうかとなる。メディアテークには、その文化がありますから、けやき並木を歩きながら人を呼べるのです。加えて、全体がファッショナブルで、ちょっとおしゃれをして出かけようかという気持ちにもなります。デパートとかホテルと同じような機能を発揮しています。周辺にもしゃれたお店ができて、定禅寺通りの表の顔は、ずいぶん整ってきました。これからは、一歩わきに入ったところにも、隠れ家的なお店が出来て、面白さがさらに面として広がっていくようになればいいなと期待しています。