(前号からの続き)
でも僕が3月9日にsmtで目撃した光景は違っていた。「卒業設計日本一決定戦」に審査員として参加したが、まさにどこからともなく湧いてきた学生達のエネルギーが、図面、模型とともにsmtのオープンスクエアに受け止められ、そこをたまたま通りかかった人にも分け与えられたのではないかと思う。気合いが入ったのは僕自身にも言えることで、自然にその場に貢献しようとしていた。こうやって、ある人達の燃えるような活動が、それに接触した他の人達に火を付け、それがまた燃え上がってまた他の人達に火を付けていくならば、公共空間は消費することとは別の、何かをしようという人々の自発性に支えられることになる。それさえあれば、結果はついてくるといえるような、公共空間の潜在性の空間がそこに広がっているように思えた。 smtには、異なる種類の活動がバリアフリーに隣接、連続している印象があるが、そういう空間のつくりと、運営の仕組みが、人々を公共空間を持続させる燃料に変えてゆくのではないだろうか。