キャメラのむこうにある<リアル>

せんだいのみなさまへ

山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会 宮沢啓

 全国には定期的に開催されている映画祭が80〜90もあるといわれています。そこで上映される作品は劇映画をはじめアニメーション、短編、ドキュメンタリー、アート作品など実に多様です。
 山形市では、平成元年の山形市市制施行100周年記念事業として「山形国際ドキュメンタリー映画祭(yidff)」がスタートしました。昨年10月に開催された7回目の映画祭では、7日間で173本の作品を8会場で上映し、国内外から集まった観客の皆さまにドキュメンタリー映画の"今"を十分に堪能していただきました。
 山形国際ドキュメンタリー映画祭は2年ごとに開催され、世界中から最新の作品を募集する「インターナショナル・コンペティション」を始め、日本を含むアジアの若手作家を発掘しその作品を紹介するプログラム「アジア千波万波」、開催年ごとにテーマを決めて上映する特集上映などを行っています。昨年の特集上映では、ロバート・クレイマー監督や亀井文夫監督を取り上げ大変好評でした。
 この他にも、日本のドキュメンタリー映画の現在を扱った「日本パノラマ」や高校生たちが制作した「高校生ワークショップ作品」なども上映されました。
 映画祭の上映のために集めた作品の中で日本語字幕を付けた一部の作品は、映画祭実行委員会が購入し、「山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー」に貴重な文化資源として収蔵されます。現在フィルムライブラリーには、111本のフィルム作品と世界中から応募された約3500本の作品が保管されており、館内のビデオブースでそれらの作品を自由にご覧いただけます。また第二、第四金曜日には、ドキュメンタリー作品はもとより幅広いジャンルの映画を集めて上映する「金曜上映会」も開催しており、仙台、北海道、東京、名古屋などから駆けつける観客もいらっしゃいます。
 今回の企画は、昨年の映画祭で上映され好評を博した森達也監督の『A2』をはじめ、フィルムライブラリーの収蔵作品の中からプログラムした「せんだいセレクション」です。
 最近はドキュメンタリー映画の話題作も増えてきました。ぜひこれを機にドキュメンタリー映画の魅力をお楽しみ下さい。
 来年は「山形国際ドキュメンタリー映画祭2003」が、10月10日〜16日の7日間開催されます。来年はぜひ山形でお会いしましょう!

※yidffは、Yamagata International Documentary Film Festival の略称です。