結論

結論

磯崎:その点は今日の報告の中で、かなり新しく提案している大きな部分ですね。さて、それぞれ特徴がはっきりしているだけに、マイナスの欠 陥部分も目についてきているというのが、この2案を比較した時の現在の状況のような気がするんですけど、どちらかを今日決めないといけないんですよね。そ うした場合に、仮に一つ案を選んだ時にそれを審査委員会として問題がこういう風にあるんだと、それを1つの要望というかコメントというか、つまりこの案を そっくりそのまま採用するのではなくて、こういう風な問題を解ける、或いは許容力があるというように判断して、対応が出来る人としてこの案を選んで、実際 に実現の時に努力してもらうというような条件を付けて決めるというのはどうでしょう。そうでもしないと決まらないと言う感じもあるんですが、それと同時に コンペの応募要項でちょっと書いたみたいに案そのものよりも案を作った人、建築家を審査委員会として市に推薦すると、推薦した段階で市とそういう問題を協 議しながら最終的な案にまとめてもらうということを条件として、そろそろ決めるというのはどうでしょうか。
全員了承
磯崎:この2案の中でどちらを支持するのか、ただし案そのまま実現するのじゃないということを条件付きで判断してるということで。では山口さんの方から。
山口:条件を付けて市に推薦するということで言うと、伊東案の方は条件を余り付ける余地が無くて、逆に古谷案が条件を付けて案を更に実現可能なように考えていった方がいいのではないかと思います。
藤森:僕は全く逆で、先程月尾さんが言われた、実はどちらも仮設性みたいな物で、ユニバーサル性があるとすれば伊東案に先程言われた様なメ ディアをやる人達が活性づく様なしつらえを中に入れるという。このままではあまりにクール過ぎるというのを条件に付けて、作り方というかむしろ中のしつら えのことですけどね。
菅野:伊東案を推したい。これまで話して来たように、これまでの地元での検討、これの受け入れ、そうしたことを配慮しての選択である訳ですが、余りにも建築的な提案に留まっていることについてはこれから色々な教えを受けながら充実させていってほしいと思います。
月尾:最終的に選ぶと伊東案になると思うんですけど、いくつか、まず具体的なこととしては、上下の移動というものに対して充分な配慮をする ということ、荷重がよく分からないけど、恐らく3トンというのは難しいんじゃないかと、漠然とね、計算してみないとわかりませんが。その辺を建築として考 えてほしいと、つまり建築としても考えることがまだあるというのが一点ですね。それからこれは菅野さんも言われた、要はメディアという側面については極端 に言えばほとんど提案が無いということに対して提案をこれから市などと協同しながらやってほしいということです。
磯崎:分かりました。こうやってくると、もう僕が1票入れても追いつかないというところがありまして、ほぼ多数決で伊東案になってきて、僕 も伊東案は同じ様なポイントで問題があると思います。例えば上下交通の問題もそうだし、メディアに対応する中身の問題、それから必ずしも模型通りに見えな いというリアリティの問題、そういういくつかのポイントはあると思いますけど、今ここに見える限りにおいて建築的な解決という点ではとりわけユニークでそ ういう意味でオリジナルな提案であるという、まあそれは建築上の問題という風に思いますので、僕も条件付きで伊東案を推したいというように思います。そう いうことで山口さんのコメントは充分い入れて、一応161の伊東豊雄設計事務所の提案というものをここで採用して、その事務所を市に推薦するという形に結 論をもっていきたいと思います。

前ページ

1 2 3 4 5 6