2025年08月30日更新

展覧会 : もうひとつの森 「なにもしない」からはじめるメディアテーク


もうひとつの森 「なにもしない」からはじめるメディアテーク



黒い土の中から新しい芽が顔を出すように、新たな思いつきが生まれてくる場とはどんなところでしょうか。風や光を感じながら、静かに考えごとのできる場とは、どんなところでしょうか。なにかをしてもいいし、しなくてもいい。誰かと一緒でもいいし、1人でもいい。そのように目的から離れた、それでいてなにかの予感に満ちた、森のような場にこそ、これからの公共建築の可能性があるのではないでしょうか。

せんだいメディアテークでは、日々多くの人々が思い思いに時間を過ごしています。なかでも、一見余白のような場から、個性的で豊かな市民活動が多数育っていることは、特筆すべきだと言えるでしょう。この展覧会では、メディアテークの6階に「もうひとつの森」を出現させます。「もうひとつの森」とは、なにかをするためにつくられた機能的な場ではなく、なにもしないことからはじめられる触発的な場を意味します。同時にそれは、メディアテーク全体を「もうひとつの森」と捉えてみる視点でもあります。会期中に生まれる、身体を触発する寛容な場の中に、多様な価値観とともに生きる、これからの社会を考えるヒントがあるかもしれません。

(o+h/大西麻貴+百田有希)



せんだいメディアテークは、東日本大震災やパンデミックを経て、開館から25年目を迎えます。この施設は、あらかじめ備えられた設備や与えられた機能を見直し、最適な状態を目指しながら運用していくことが、設立時に想定されています。 本展では、気鋭の建築ユニットo+h(大西麻貴+百田有希)と、当館に関わるさまざまな市民グループとともに、ふだんの運営の中では難しいこうした検証に取り組み、いまの時代に応えるメディアテークのモデルとして6階の空間に反映させます。それは、なにもしなくても居ていい場所。参加を強いられず、成果や成功を求められることのない、自由な体験と試行の時間です。こうしてあらわれた「もうひとつの森」での学びは、次なる社会を生きる知恵として都市・仙台に広がっていくことでしょう。

(せんだいメディアテーク)




会期:2025年11月 1日(土)から11月30日(日) 11:00-19:00

*入場は18時30分まで、11月27日(木)は休館

会場:せんだいメディアテーク6階ギャラリー4200

入場:無料


主催:せんだいメディアテーク(公益財団法人 仙台市市民文化事業団)

助成:公益財団法人 花王芸術・科学財団、芸術文化振興基金助成事業

特別協力:株式会社オカムラ、三協立山株式会社、株式会社シェルター、大光電機株式会社、太陽工業株式会社、田島ルーフィング株式会社、株式会社中川ケミカル

後援:NHK仙台放送局、khb 東日本放送、仙台放送、tbc東北放送、ミヤギテレビ、 朝日新聞社仙台総局、河北新報社、産経新聞仙台支局、日本経済新聞社仙台支局、毎日新聞仙台支局、読売新聞東北総局、せんだいタウン情報S-style、仙台リビング新聞社、Date fm、ラジオ3FM76.2MHz