報告 2025年02月18日更新

SASSA 活動紹介 「仙台市役所」編


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(2022年7月現在の仙台市役所)

2028年に新庁舎が完成し、その後は解体される予定の3代目仙台市役所。

1965年に山下寿朗設計事務所により設計された建物で、この文章を書いている2025年時点で築60年を迎えます。建て替えの多い仙台地域では貴重な、1960年代の昭和モダニズムを感じさせる建物で、良質な建築物としてBCS賞を受賞するなど建築界から評価もされています。宮城県沖地震と東日本大震災というふたつの大きな地震を乗り越え、いまも現役で使用されています。

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「たてもの観察同好会」プロジェクトの主体であるSASSASendai Architecture, Statue & Stone Association)の活動は、この仙台市役所から始まりました。

2022年にSASSAメンバーである越後谷出と渡邉曜平が、市役所の建物を「観察」してみるのは面白いのではないかと意気投合し、SASSAが結成、活動がスタートしました。

具体的な活動としては、仙台市役所の中で一般人が入れる場所をすべて見てまわって気になる場所を写真記録したり、建物竣工時の写真を資料から探し出し、それと同じアングルから現在の姿を撮影する「定点撮影」を行いました。

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また、知人を誘って私的に市役所見学ツアーも実施しました。想定以上に楽しんでいただき、「市役所の建築は面白い」という自分たちの勘が間違っていないことを確信しました。

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 その後、2023年夏に、ひょんなことからつながって、仙台市役所本庁舎整備室と宮城県美術館の百年存続を願う市民ネットワーク (通称:宮城県美ネット)と共同で市役所見学ツアーを開催することに。SASSAの定点撮影写真を資料の一部として使用しながら、約60名の参加者と夏の市役所を巡りました。

イベントページリンク:https://www.save-mmoa.org/773/

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それに先立ち、庁舎内の壁面石材に埋まっている化石について専門家の意見を伺う、本庁舎整備室主導の調査にも同行させていただきました。SASSAが個人的に進めていた「観察」が、市役所側の庁舎振り返りの動きと同調しはじめたのです。自分たちだけでは知ることのできない専門的な情報なども教えていただくことができました。

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また、同じく2023年夏には、仙台市役所本庁舎整備室からのお誘いで、「仙台市役所本庁舎思い出写真展」に参加。現在は解体された低層棟のギャラリーで定点写真などを展示させていただきました。

イベントページリンク:https://www.city.sendai.jp/tatekae/kishahappyou/230814.html

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市役所は2024年に低層棟および議会棟、噴水などが解体。重機が入り新庁舎の工事が進んでいますが、現在も高層棟は市役所オフィスとして使用されています。

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2028年の解体まであと3年。エントランスや中庭のあった低層棟などが見られなくなっているのは残念ですが、高層棟にも魅力あるデザインや細部はまだまだ残っていますので、今後もおりに触れて観察を続けたいと思っています。

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文章:渡邉曜平


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