■トークイベント「コンニチノ技法」comos-tv連携企画
日時:11月23日(木・祝)15時から17時30分
会場:6階ギャラリーホワイエ 考えるテーブル
出演:粟田大輔、藤井光、高嶺格、飯山由貴(予定)、長内綾子、細谷修平、清水建人
申込み不要、席数40席程度、展覧会チケット(当日分)の半券提示が必要です。
*comos-tvでインターネット中継予定
comos-tv(コモス・ティーヴィー)/同時代のアートに関わるさまざまな人々が番組の内容や構成を手がけるメディアが必要との考えのもと、2011年に立ち上げたアート専門のインターネット放送局です。http://comos-tv.com/
趣旨
戦後主流となってきたインスタレーションという空間設置型の表現技法は、今日では一般化し、アートの展示においては中心的な位置を占めます。
絵画や彫刻を中心とした美術館における展示方法を拡大させ、また美術館外の場所における展示にも即すようにして広がっていったインスタレーション。20世紀後半からは映像も多用され、メディア・アートにも展開していきました。インスタレーションへの言及は過去にも繰り返されてきていますが、空間の性質や、用いるメディアの新規性といったことに着目することが多く、もう一つの特性としての「一時的であること」についてはあまり触れられてこなかったようです。しかし、各地にアートフェスティバルが広がっている現在の状況では、一時的な表現であるインスタレーションがもたらす政治性について、ひとつの美術表現の範疇を超えて考えてみる必要がありそうです。
大阪万博以降、国内で繰り返されてきた博覧会という催しと、その変化形としての現在のアートフェスティバルは、細かな違いはあっても概ね一時的なものとして、大規模な建て込みと破壊を繰りかえすものです。大規模でありながら消え物であるこれらの催しと、その展示物の中心的な技法であるインスタレーションの功罪をふまえて捉え直すとき、どのような可能性が見いだせるでしょうか。
そして、今回展覧会を行っているメディアテークの6階ギャラリーもまた、インスタレーションを主な展示内容として建築されています。90年代末に構想がはじまったメディアテークは、21世紀の新しい表現として、メディア・アートもふくめたインスタレーションを捉えているといえます。
一般化したインスタレーションの「一時的である」という特性、その価値と困難は、いまどのようにあるのか。インスタレーションについて既存の解釈で自明のものとせず、改めてアクチュアルな「技法」として考えてみたいと思います。