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イベント 2011年06月18日更新
第1回「震災と文学『死者にことばをあてがう』ということ」
■ 日時:2011 年 6 月 18 日(土)15:00−17:00
■ 会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア
■ 参加無料、申込不要、直接会場へ
■ 問合せ:tanishi@hss.tbgu.ac.jp (西村)
■ 主催:せんだいメディアテーク、てつがくカフェ@せんだい
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この度の〈震災〉に限らず、「当事者」の視点からだけでは見えてこないもの、見えにくいものがあります。起きている出来事から少しばかり〈距離をとる〉ことでしか見えないことがあります。「てつがくカフェ@せんだい」では、そこに哲学の現場性を見定め、(哲学的な)対話の場を拓く準備を整えてまいりました。今回は、その〈震災〉後初めてのカフェです。石巻出身の作家・辺見庸の〈震災〉以降の詩作活動(〈震災を書く〉という試み、「死者にことばをあてがう」という営み)から見えてくるものをもとに、〈震災〉に臨む文学に課せられた責務やその可能性などについて参加者間でいろいろと考えてみたいと思います。ドイツのユダヤ系哲学者であるアドルノが『文芸批判と社会』のなかで「アウシュヴィッツ以降、詩を書くことは野蛮である」と書きつけたことはあまりに有名ですが、辺見庸はアドルノのこのことばを受けて「3.11以降に詩を書くこと」の意味を自分自身に問いかけています。彼のこの問題意識は、先日、NHKで放送された番「『瓦礫』のなかから言葉を」や、震災後に書き下ろした詩編「眼の海 わたしの死者たちに」(『文学界』六月号)のうちにしっかりと見出すことができます。
今回の「考えるテーブル てつがくカフェ」では、この番組の一部を参加者で鑑賞し、震災以降に辺見が書いた詩(とくに「死者にことばをあてがえ」という詩)を読みときながら、「震災と文学」について、またそこから見えてくるものについてじっくり考えてみたいと思います。震災のなかで/震災について、ゆっくりと、考え始めてみませんか。
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