イベント 2012年02月10日更新

第8回「〈復興〉が/で取り戻すべきものは何か?」(要約筆記つき)


■ 日時:2012 年 2 月 10 日(金)18:00−20:30
■ 会場:せんだいメディアテーク 1f オープンスクエア
■ 参加無料、申込不要、直接会場へ
■ 問合せ:tanishi@hss.tbgu.ac.jp (西村)
■ 主催:せんだいメディアテーク、てつがくカフェ@せんだい

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■復興~我々が目指しているものを問い直す~
「がんばろう日本」「負けないぞ東北」「復興のために○○しよう!」...
東日本大震災からもうすぐ1年が経とうとする今もなお、震災から立ち直るための努力が各方面でなされていますが〈復興〉への道のりはまだまだ遠いといえます。ちなみに、宮城県の復興は10年計画で行われるようで、その内容は防災、産業振興、生活支援や医療など多岐にわたります。
それにしても、〈復興〉という言葉は情報媒体や場所を問わず目にしていたように思えますが、 〈復興〉とはどのような意味なのか、何をすれば/どうなれば〈復興〉と呼べるのかを考える機会が十分にあったのかは疑問です。もしかしたら、「本当の復興」や「真の復興」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、私には、どうも〈復興〉という言葉の持つ意味をも問い直すようなものには思えませんでした。
立ち直りを表す言葉は〈復興〉だけではありませんが、仮に、〈復興〉という語を「復旧」や「再生」に置き換えてみたら、違和感を持ってしまうのかもしれません。
また、震災からの〈【復】興〉という以上は、その対象が〈復興〉するにあたって何かを失っていたり、害(どんな種類のものでも)を受けていたりすることが前提となっているようにも感じます。もし、そうだとすれば、私たちは東日本大震災によって何を失ったのでしょうか。そして、あなたの頭の中に浮かんだ「それ」は〈復興〉が/で取り戻すべきものなのでしょうか。あるいは、あなたが〈復興〉すべきと考える対象は何でしょうか。 さらに、〈復興〉をもってしても取り戻せないものも、存在するのかもしれません。もしかしたら、震災がもたらしたものは「害」や「喪失」だけではなかったのかもしれません。
以上のように、〈復興〉について考えることは、その対象や方法、あるいは震災そのものについてなどを問い直す手段になりえると考えています。今回の「考えるテーブル てつがくカフェ」では、皆さんとともに丁寧に対話を重ねていきながら、あらためて私たちが震災を語り合う上で行きあたってしまうものや、向き合うべきものについて考えを巡らせてみたいと思います。

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てつがくカフェとは
てつがくカフェは、わたしたちが通常当たり前だと思っている事柄からいったん身を引き離し、そもそもそれって何なのかといった問いを投げかけ、ゆっくりお茶を飲みながら、「哲学的な対話」をとおして自分自身の考えを逞しくすることの難しさや楽しさを体験していただこうとするものです。

てつがくカフェ@せんだい http://tetsugaku.masa-mune.jp





*この記事はウェブサイト「考えるテーブル」からの転載です(http://table.smt.jp/?p=3146
*イベントのレポートはこちら 
https://www.smt.jp/projects/cafephilo/2012/02/8.html


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