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草アーカイブ会議(2016年)の記録4
2016年3月12日、せんだいメディアテークで「草アーカイブ会議 アーカイブは誰のもの?」という公開イベントを行いました。
草アーカイブとは? [草=草の根]
野球には、一流の技や勝ち負けを競う「プロ野球」と、上手い下手にかかわらずいろんな人が混ざって楽しむ「草野球」があります。次の世代に過去・現在の記録を伝える「アーカイブ」づくりも、専門家=プロだけに任せっきりにするのではもったいない。誰もが関わることができる、ごく日常的な文化活動としてのアーカイブ。それが「草アーカイブ」です。
各地域の中でさまざまな形で培われてきた草の根的なアーカイブ。風景、物語、暮らし、災害、戦争など、地域での出来事について記録し、伝える取り組みが各地で行われています。このイベントでは、独自の実践をしている方々からの話題提供をもとに、「アーカイブは誰のものなのか?」「アーカイブを誰がどのように育てていくのか?」を来場者とともに改めて考えました。
* * *
この記事では、「草アーカイブ会議」でのそれぞれの話題提供者による発表を、一人ずつ紹介していきます。
四人目の話題提供者は、京都工芸繊維大学の笠原一人さん。
阪神・淡路大震災における自身の経験から生まれた問題意識をもとに、2005年に開催した展覧会「いつかの、だれかに--阪神大震災・記憶の<分有>のためのミュージアム構想展」。「出来事を直接体験していない者がその記憶を伝え表現できるのか」「出来事の記憶をいかに表現するか」といった問いをテーマにしたこの展覧会のお話を中心に、記憶表現のあり方を問い直すことについてお話いただきました。
【笠原一人さん プロフィール(イベント開催当時)】
京都工芸繊維大学助教。専門は近代建築史、建築保存再生論。2002年、震災や戦争などの記憶の伝え方を考える研究グループを立ち上げる。2005年、阪神・淡路大震災の記憶の伝え方を提起する展覧会「someday, for somebody いつかのだれかに 阪神大震災・記憶の<分有>のためのミュージアム構想|展」を行う。編著に『記憶表現論』(昭和堂)ほか。
話題提供:笠原一人さん
*この動画は、「草アーカイブ会議」の動画(約3時間)をチャプターで区切り、笠原一人さんのプレゼンテーションの開始時間(00:44:09)から再生されます。
【草アーカイブ会議 開催概要】
日時 2016年3月12日(土)15:00-18:00
場所 せんだいメディアテーク<1階>オープンスクエア
はじめに
話題提供:北野央(せんだいメディアテーク 企画・活動支援室主事)
第1部 各活動の紹介
話題提供:田中洋史(長岡市立中央図書館文書資料室室長)
話題提供:松本篤(NPO法人記録と表現とメディアのための組織remoメンバー)
話題提供:笠原一人(京都工芸繊維大学助教)
話題提供:佐藤正実(NPO法人20世紀アーカイブ仙台副理事長)
第2部 草アーカイブの育て方 〜コツのコツ
それぞれの活動経験の中から草アーカイブをつくるうえで大切なポイントを確認・共有しました。
第3部 「時間」を考える
草アーカイブが対象とする「出来事」から「時間経過」していく中で、どのように活動していくかについて考えました。
*時間の関係で、第3部は第2部とまとめて実施しました。
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