イベント 2017年03月03日更新

3/27開催「第8回参加者発表会 共同制作のあり方について―土地の人とともに暮らしの記憶を紡ぐこと―」


 震災後、岩手県陸前高田市に移り住み、土地の人びととの関係を紡ぎながら暮らしや記憶をめぐる表現活動を続けてきた小森はるかさん。今回の発表会では、小森さんに『波のした、土のうえ』、『石と人』の2作品を上映していただき、被災地での記録や共同制作のあり方について話をしていただきます。

 なお、小森さんの劇場デビュー作となる『息の跡』が4月1日(土)よりフォーラム仙台にて公開されます。こちらも是非合わせてご覧ください。

第8回参加者発表会 共同制作のあり方について―土地の人とともに暮らしの記憶を紡ぐこと―

■日時:2017年3月27日(月)13:30~

■会場:せんだいメディアテーク7階スタジオb

■参加費:無料

■予約:不要

■主催:みやぎシネマクラドル

■共催:i-くさのねプロジェクト

■協力:せんだいメディアテーク

■お問い合わせ先:

☎080-2773-0181 ✉m.cinemacradle@gmail.com (砂子)

■活動スケジュール:

13:30~ 開会のあいさつ

13:35~ 小森はるかによるあいさつと『波のした、土のうえ』(68分)の上映

14:50~ 休憩

15:00~ トーク

16:00~ 『石と人』(19分)上映+トーク

16:40~ 告知タイム

16:50  発表会終了

※終了後は懇親会を予定しておりますので気軽にご参加ください。

■上映作品と発表者プロフィール

『波のした、土のうえ』

監督:小森はるか+瀬尾夏美/2014年/68分

 津波をうけた沿岸の町「陸前高田」で出会った人びとの言葉と風景の3年8ヶ月の記録から物語を起こすように構成された3編の映像。この町に暮らしていた人びとと小森はるか+瀬尾夏美の協同によって制作された。まず、被写体となる住民の方に繰り返しインタビューをしたものを瀬尾が物語に起こす。それをもう一度ご本人にお返しし、ご本人が訂正や調整、書き換えを行いながら、朗読をする。書き直しと朗読を繰り返した声と、この町の風景を重ねるように小森が映像を編んでいく。

『石と人』

監督:小森はるか、FIVED/2016年19分

 津波により家屋全てがなくなった陸前高田市森の前地区。そこに残された五本松の巨石は、その土地に暮らしてきた人びとのよりどころであった。この映像は、巨石を中心としたその地域の伝統の復活と、新たな伝承のはじまりを志す佐藤徳政さんの活動記録です。

発表者プロフィール小森はるか(こもり・はるか)

 映像作家。1989年、静岡県生まれ。東京芸術大学美術学部卒業、同大学院修士課程修了。2011年3月末にボランティアとして東北沿岸地域を訪れたことをきっかけに、画家で作家の瀬尾夏美とアートユニットとして活動。2012年に岩手県陸前高田市に拠点を移し、風景と人々の言葉をテーマに制作を続ける。2015年仙台に拠点を移し、東北で活動する仲間とともに記憶を"受け渡す"ための表現をつくる組織「一般社団法人 NOOK」を設立。

※第4回参加者発表会「イメージの地層~被災地での記録と表現をめぐって~」発表時

【関連情報】

 陸前高田でたね屋さんを営む佐藤貞一さんを追った小森さんの長編ドキュメンタリー映画『息の跡』が4月1日(土)よりフォーラム仙台にて公開されます。陸前高田の空気に溶け込むような柔らかく美しい映像と、作り手と対象との関係性がとても素晴らしい映画です。是非こちらもご覧ください。

『息の跡』

監督:小森はるか/2016年/93分

 岩手県陸前高田市。荒涼とした大地に、ぽつんとたたずむ一軒の種苗店「佐藤たね屋」。津波で自宅兼店舗を流された佐藤貞一さんは、その跡地に自力でプレハブを建て、営業を再開した。なにやらあやしげな手描きの看板に、瓦礫でつくった苗木のカート、山の落ち葉や鶏糞をまぜた苗床の土。水は、手掘りした井戸からポンプで汲みあげる。

 いっぽうで佐藤さんは、みずからの体験を独習した英語で綴り、自費出版していた。タイトルは「The Seed of Hope in the Heart」。その一節を朗々と読みあげる佐藤さんの声は、まるで壮大なファンタジー映画の語り部のように響く。さらに中国語やスペイン語での執筆にも挑戦する姿は、ロビンソン・クルーソーのようにも、ドン・キホーテのようにもみえる。彼は、なぜ不自由な外国語で書き続けるのか? そこには何が書かれているのだろうか?

 監督は、映像作家の小森はるか(『the place named』、『波のした、土のうえ』※瀬尾夏美との共同制作)。震災のあと、画家で作家の瀬尾夏美とともに東京をはなれ、陸前高田でくらしはじめた彼女は、刻一刻とかわる町の風景と、そこで出会った人びとの営みを記録してきた。失ったものと残されたもの。かつてあったものと、これから消えてゆくもの。記憶と記録のあわい。そのかすかな痕跡とぬくもりを彼女はうつしだしていく。あの大きな出来事のあとで、映画に何ができたのか。そのひとつの答えがここにある。

公式サイト
http://ikinoato.com/


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