スタッフより 2016年08月09日更新

仙台前衛藝術の足跡を辿る


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【活動趣旨】
 1960年代、日本の前衛藝術は美術や音楽、映画といった既存のジャンルに留まらず、それらを横断するかたちで様々に実験的な試みを展開した。その動向は地理的社会的に中央へと限られたものではなく、各地でのアンデパンダン展はもちろん、地方においても前衛藝術の活動は活発に行われていたが、それらの調査・研究はまだ不十分なものである。

 仙台在住の糸井貫二さんは戦後まもなく行為藝術、メールアートを始め、現在もその活動と存在は仙台を発信源として国内外に広く影響を与えている。また糸井さんは当時から地方出身の作家と交流、仙台を拠点としてその活動を展開した。

 本プロジェクトでは、糸井貫二さんを中心に60年代70年代から活動している仙台の美術家や関係者への聞き取り及び映像メディアによる記録を行い、いまだ知られざる仙台前衛藝術の動向を考察するとともに、後世に問うためのドキュメントを作成する。

【活動の展開】
 2009年には宮城県美術館において宮城輝夫、石川舜、糸井貫二といった宮城の表現者を取り上げた「前衛のみやぎ」展が開催された。本プロジェクトでは、この「前衛のみやぎ」展の捕捉を視野に入れ、調査・研究を進めるとともに、当事者からのオーラルヒストリーの採集と映像記録を行い、それらの発表によって、これまで紙媒体で発表されてきた研究を捕捉し、成果として新たな歴史的展望を提示したい。

 また、制作した映像の上映、オーラルヒストリーの採集によって蓄積されたアーカイヴを活用した展示、さらに活動成果を先行の研究者とともに議論し進展を図る機会としてシンポジウムを行うことを予定している。

仙台ダダ外部調査委員会


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