2014年10月01日更新

記録:レコーダ会議(2014年9月28日)


ニュー・フィールド・レコーディングと称して、街の文化を記録・保存していくこの取り組みにおいて、実際にそれを記録(レコード)する人々=レコーダによる会議をはじめました。9月28日、7階スタジオにある<台所>に10名が集合。
3F6A7234.jpg

話題提供:『実寸』の制作から反響まで

東北の福祉施設で作られる授産品を、実物大の大きさで紹介したリトルプレス『実寸』。今回、この『実寸』の企画・制作を行った藤村和成と、編集・構成を担当した私、高橋創一が「第一回レコーダ会議」の話題提供という形で、『実寸』が完成するまでのあれこれを話しました。
そもそもこの『実寸』という冊子のコンセプトである、「モノを実物大の大きさで紙面に掲載する」というアイデアを藤村から聞いたのは今から3年ほど前のことになります。その後、藤村が福祉の分野で活動をはじめたことで、「授産品を実寸大で紹介する冊子」という話に結実しました。

「パソコンでは画像の拡大、縮小ができるけれど、そこには実寸という尺度が抜けています。Photoshopを使って画像修正をしていたときに、偶然実物大のサイズになりました。そのとき、忘れていた大事な『尺度』が戻ってきたような気がしてハッとしたんです。メディアや手段はあふれているけど、大切なことはシンプルなんだろうなと思いました」(藤村)

その後、友人たちに声をかけて「実寸編集委員会」を結成し、編集作業を2013年2月ころに開始しました。私たちは福祉のプロではありません。当然、何も分からない状態からスタートしましたので、各県にどういう授産施設があってどんな製品を作っているのかリストアップして、電話取材を行いました。このような試みを行っている媒体がこれまでなく、私たちも有志の集まりだったもので、取材先へなかなか話が通じない場面もありました。ともあれ、ご理解、ご協力いただきながら、執筆、撮影、編集を進め、8月に完成。500部発行し、北は仙台、南は愛知まで、さまざまお店が取り扱ってくださり、メディアでの紹介も何度かしていただきました。おかげ様で現在はほぼ完売、通販も終了しています。
今後の発行についてはまだ未定ですが、実寸大で見せることで面白くなるものがまだまだあるのではないか、と話しており、なんとか続けていける道を探っているところです。 (文:高橋創一)

『実寸』ウェブサイト http://jissun.web.fc2.com/

アイディア出し

藤村さん、高橋さんによる話題提供に続き、集まったみなで参考事例やアイディアを出し合いました。その一例はこちら。

デヴィッド・リンチ「インタヴュー・プロジェクト」 http://interviewproject.davidlynch.com/
ヴィンセント・ムーン「ザ・テイク・アウェイ・シリーズ」 https://www.youtube.com/user/vincentmoon
ヒストリーピン https://www.historypin.org/
Kazuhiko Ota Monden「Work」(今回参加者のひとり、門田和彦さんの作品) http://vimeo.com/42127122

かつて仙台駅前の文化スポットであった書店・八重洲書房についてまとめる。
仙台のさまざまな音を(バイノーラル録音で)フィールドレコーディングする。
ネットでは表現しにくい「モノの重さ」。
さまざまな街の文化の年表をつくる。
宮城・仙台の戦後美術史を当事者へのインタビューで。
緞帳(どんちょう)の収集。
お年寄りへのインタビュー 街場でさまざま行われている小さなレクチャーの文字起こしをする。
神楽など舞踊のモーションデータ化。
古い窓ガラスの文様をフロッタージュで残す。
観光施設などにある顔出しパネルの収集。
など


x facebook Youtube