報告 2026年01月11日更新

【レポート】第1回トークサロンを行いました


コロナ禍による活動休止から、約6年ぶりの復活となったせんだいシネバトルトークサロン。運営側は「初回だし3人来てくれれば大成功」と思っていたのですが、定刻が近づくにつれ、4人、5人と次々に参加者の方が集まりました。中には休止前のシネバトルの常連参加者もいらして、嬉しい再会を果たすことができました。

そんな予想外のスタートとなった復活せんだいシネバトルトークサロン。第1回のテーマは、22年ぶりに実写日本映画の興行収入1位の記録を塗り替えた大ヒット作『国宝』でした。

参加者の中には複数回観た方、原作を読破した方、オーディオブックで歌舞伎役者の尾上菊之助さんの声で原作を聴いたという方もいて、『国宝』への熱量の高さがうかがえます。

まずは『国宝』をまだ観ていない方のために、あらすじを追いながらその面白さを振り返りました。

「歌舞伎の映画なのにヤクザの宴会場面から始まるから一体何が起こるのかと思った」という感想もあったように、『国宝』はヤクザの親分の息子である主人公・喜久雄(吉沢亮)が父を殺されたことをきっかけに、その宴会にたまたま居合わせた歌舞伎役者・花井半二郎(渡辺謙)の部屋子となり、半二郎の息子・俊介(横浜流星)と切磋琢磨しながら歌舞伎の女形として芸の道を歩んでいく物語です。
年も近い喜久雄と俊介は、互いを良きライバルとしながら人気若手女形として成長していきますが、半二郎が怪我で出られなくなった自分の舞台の代役に、息子の俊介ではなく喜久雄を指名したことから二人の運命は大きく変わり始めます。

この日『国宝』の面白かったポイントとして挙がったのは大きく3つで、①俳優陣の見事な演技、②脚本の面白さ(脚本はアニメ『サマーウォーズ』の奥寺佐渡子)、③画面の美しさ(撮影はチュニジア出身のソフィアン・エル・ファニ)でした。

次にポイントとして挙げられたのは、原作小説との違いです。『国宝』の原作は上下巻800ページ以上の大作で、映画では削られたキャラやエピソードが沢山あります。特に喜久雄の幼馴染の徳次は原作では見せ場も多い人気キャラで、彼の出番が少ない映画はだいぶ印象が変わるという話が出ました。更に春江、幸子、綾乃といった女性キャラも原作ではより濃く描かれていること、ラストが映画と原作ではかなり異なる印象であることも分かってきました。

映画『国宝』への否定的な意見に多い「原作のダイジェストを見ているようだ」という点に関しては、「原作のダイジェストだからこそここまでヒットしたのではないか」「映画も上下二部作で観たかった」「小説に忠実なドラマ版『国宝』がいずれ作られるのでは」など、様々な意見が出ました。

そして『国宝』をより深く理解するための関連作として、京劇の世界に生きる二人の役者の波瀾万丈な人生と中国の歴史を描いた映画『さらば、わが愛 覇王別姫』が紹介されました。

参加者の方の中にはメモを取りながら話を聞いている方もおり、終盤には「もっとこういうことが話したかった」という積極的な意見も見られ、ようやくシネバトルトークサロンらしい姿に。

『国宝』が大ヒットしたのは、観た人を夢中にさせるこの熱量の高さなのだと改めて感じた1時間でした。復活第1回せんだいシネバトルトークサロンにご参加くださった皆さん、本当にありがとうございました。

次回は2/7(土)14時〜、テーマは「山形国際ドキュメンタリー映画祭」です。2年に1回山形で開催される世界的なドキュメンタリー映画の祭典がいかなるものか、そしてドキュメンタリーの持つ面白さやジャンルの幅広さ、奥深さを語り合えたらと思います。次回も皆さんのご参加お待ちしています!