報告 2013年07月20日更新

第10回3.11定点観測写真アーカイブ・プロジェクト 公開サロン「みつづける、あの日からの風景」レポート


【開催概要】
日時:2013 年 7 月 20 日(土)15:00-17:00
会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオa
(参考:https://www.smt.jp/projects/teiten/2013/07/3-11--3.html


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7月20日、今回の公開サロンでは当NPOのインターン生が司会進行を務め、6月29日に行われた第1回目のツアーを参加者と振り返り、被災地・震災について考えることをテーマとしていました。この日はゲストとして、第1回目のツアーに参加した外国人留学生が1名、ツアーには参加していない外国人の方3名を迎えグローバルな話し合いになりました。

基本的には6月のツアーで参加者が撮影した写真をスクリーンに映し出し、ツアーで巡った閖上→荒浜→蒲生という順番で参加者に振り返りをしてもらいました。参加していないゲストの方にはこの写真をみてどう思うのかなどを質問しました。


印象的だったのは、こちら。



2013年6月29日 撮影者 ニューウェンハウゼ・ポールさん

この写真をみて参加者のポールさんは実際に被災地に立ってみて、「その場所は初めてでしたが、感動しました。今年の状態の見るとなにもなかったように見えたが、去年の写真と比べてすごく状態が変わったなと思った」というところでした。

6月に行われたツアーでは定点観測を用いたツアーで、参加者に今と直後を比べてもらうというのも目的の一つでした。参加者のポールさんはまさに定点観測を通じて直後の様子を想像してくれたみたいで、定点観測の効果が証明されたように感じました。

その後話は、地震の揺れた時間である3分をどう感じたか、ツアーに参加したことを誰かに話したか、震災をこれからどう伝えていくか、と発展していきました。私が印象に残っているのは瓦礫の使い道でした。ゲストの中に「今の被災地は瓦礫を片付けすぎている」と思っている方がいました。これからの世代に伝える意味で、「瓦礫を残すのはどうだろうか」という意見が私たちのなかには無い新しい考えでした。

最後に今後、どういったツアーをしていけばより参加者の心に響くツアーができるか皆で考えました。今の被災地は草が生い茂っていて、人の生活の様子が感じられない場所が多くあります。そういった場所でかつてその場所では人の営みがあった。生活していた。ということを参加者に感じてもらえるようなツアーになればより身近に感じ、「自分事」に感じてもらえるのはないだろうか。これからは震災前の様子をイメージ出来ない人にどうイメージさせられるか、伝え方を工夫していく必要があるようでした。

今回の公開サロンは多国籍なゲストを迎え、他では体験できない貴重な話し合いをすることができました。

報告:NPO法人20世紀アーカイブ仙台インターン/星 隼人





*この記事はウェブサイト「考えるテーブル」からの転載です(http://table.smt.jp/?p=4364#report


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