報告 2016年02月22日更新

青葉山のホタルについての映像を制作しました


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○次代につなぐホタルの里づくり

追廻(青葉山公園)にて発見されたホタルの育成及び環境保全に向けて、地域住民有志がホタルの生育に精通した専門家の協力を仰ぎながら小学校の子どもたちと一緒に取り組む様子を記録した映像を、地域内外へと発信する仙台市の映像音響ライブラリー教材[ことりTV](2014年10月放送)として制作しました。

<映像情報>

タイトル 『ホタルと歩む暮らし 青葉山〜広瀬川』

時間数 5分

ナレーション 柿崎隼人

撮影・編集 地域探検隊-TTT-

協働 せんだいメディアテーク

著作・制作 せんだいメディアテーク 仙台CATV

映像

※せんだいメディアテーク2階・映像音響ライブラリーでの貸出が可能です。

※せんだいメディアテーク公式Youtubeチャンネルにて配信しています。

(ナレーション)

「ホタル」その言葉を聞くとどんな風景を思い浮かべますか?

私たちのまち・仙台ではまちの中心部に「ホタル」が生息しています。

仙台は伊達政宗公が自然の地形を活かして城下町を築いたことが始まりで水や緑が豊かなまちです。街中を歩くと街路樹が続き緑を身近に感じることができます。街中からほど近く青葉通りから河岸段丘を下っていくと清流・広瀬川が流れます。2015年(平成27)に地下鉄東西線が開業すると広瀬川周辺は仙台のまちの中心と呼べるエリアとなるでしょう。

政宗公が眠る御廟・瑞鳳殿・経ヶ峯、本丸が築かれた史跡・仙台城跡、国の天然記念物に指定された青葉山、、、広瀬川周辺は雄大な自然と歴史文化に溢れています。これだけの豊かな環境が生み出した恵みなのかもしれません2013年(平成25)に青葉山公園でホタルが確認されました。

青葉山公園に隣接する片平地区では町内会を母体としてまちづくりに取り組んでいます。かつて広瀬川に飛んでいたホタルを復活させようと2010年(平成22)からホタルの幼虫とホタルの餌となるカワニナの放流を続けてきました。ホタルが飛び立つ姿は見られませんでしたが2013年(平成25)3月に作成した『片平地区まちづくり計画』に、【ホタルの復活】を盛り込み継続的に活動を行うことにしました。その矢先に発見したのが青葉山公園のホタルなのです。

片平地区で広瀬川沿いに暮らす広瀬さんは幼い頃のホタルの思い出をこう話します。

「(ホタルって戦前もいたのですか?)いました。蚊帳を吊って寝ると、蚊帳にぷーっと飛んできて、ホタル来たー!って言ってました。いま考えてみると随分、情緒的だったですけど、子どもだからなんだろうなって見てただけでした。」

片平地区まちづくり会の今野会長は、これまでの活動をこう振り返ります。

「ホタルなり水生昆虫が生きられるような広瀬川にしたいと思って、ホタルを甦らせようと花火を打ち上げるようなことはやったわけだけど、本当に戻ってくるかっていうのは信じられないままやっていたのが事実です。でも広瀬川が本当にキレイになったっていう指標はやっぱりホタルかなって思います。」

仙台市内各地でホタルの飼育に関わる兵庫さんは青葉山公園のホタルについてこう話します。

「カワニナが育つ環境をちょっとみんなで気をつけて手を加えてあげれば、今から10倍も20倍もホタルが飛ぶってことはしなくたって結構ですけど、おぉホタルだぞ!ゲンジボタルだぞ!っていうには充分な場所です。」

(地域の人たちと子どもたちが手を取り合って行ったホタル飼育の取り組み)

いよいよ年に一度のホタル飛来の季節がやってきました。みんな揃ってホタルを見に行きます。

(地域の子ども達による童謡「ほたるこい」の合唱)

ホタルをこれからもこの場所に残すために、飼育活動や広瀬川周辺の清掃、青葉山の水質調査、ホタルをいつでも見られる環境づくりに、みんなで取り組んでいきます。

次の年も、また次の年も、、、

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○青葉山の湧き水調査

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ホタルの生息する沢は、青葉山の本沢や深沢(御清水の湧き水が源流)が合流する五色沼・長沼から越流した水と、三の丸跡(清水門跡)の湧き水が合わさった水流です。過去50年ほどの間、研究者らが仙台城の灌漑技術を保全することを意図してその湧き水の水量を調査しており、現在は地域住民の有志により不定期にて調査が行われています。※御清水は東北大学植物園内にありますが、土砂災害の恐れがあるため研究等の目的以外では立入禁止となっています。

協働 東北工業大学都市マネジメント学科 松山正將先生

○湧水量平均値

1965年※1

1995年※2

2000年※2

2005年※2

2010年※3

2014年※4

御清水

15.9ℓ/分

--

18.00ℓ/分

24.08ℓ/分

17.97ℓ/分

18.39ℓ/分

三の丸跡

8.5ℓ/分

8.31ℓ/分

9.83ℓ/分

11.61ℓ/分

--

7.98ℓ/分

※1 仙台市文化財保護委員会編著「仙台城」1967年3月31日、仙台市教育委員会

※2 松山他「東北大学植物園利用研究成果報告書」No.1〜16、1998.3〜2013.3

※3 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構「仙台東西線、水文調査 総合報告書」2014年3月

※4 地域探検隊-TTT- 調査、2014年:5/31, 8/23, 9/21, 10/17, 11/24

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○参考

・東北大学植物園「園内に残る史跡」

http://www.biology.tohoku.ac.jp/garden/remains.htm

・仙台市「土砂災害ハザードマップ」

http://www.city.sendai.jp/kekaku/kurashi/anzen/saigaitaisaku/fusuigai/map.html


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