2021年12月12日（日）に今年度最後の「手ではなすおはなしの会」を開催しました。

［日時］2021年12月12日（日）　①11時30分から12時　 ②13時30分から14時
［会場］せんだいメディアテーク　7階 スタジオb

今回のおはなし会は、メディアテーク7階の「スタジオ」でおこなわれました。開放的なオープンスペースでの開催は久しぶりです。通りがかりにふらっと立ち寄る方もふくめ、午前の部・午後の部ともに、子どもから大人までたくさんの参加者にお越しいただきました！

＊読み手の後ろにある素敵なクリスマスカラーの飾りは「ワケあり雑がみ部」からお借りしました。トイレットペーパーの芯など、すべて「雑がみ」からできています！



手話は、日本語とは異なる独自の文法体系を持つひとつの言語です。「手ではなすおはなしの会」は、日本語の音声による読み聞かせに手話をつけるのではなく、すべて手話という言語だけで読み聞かせをおこなっています。手話がわかるかどうか、聞こえる・聞こえないにかかわらず、だれでも参加できます。今回も、聞こえない子どもたちだけでなく、手話に興味のある聞こえる子どもたちもたくさん来てくれました。

午前の部は4冊、午後の部は3冊、まほうの手のメンバーがひとりずつ読み聞かせをおこないました。自分にないものにあこがれる動物のお話、弟が生まれた女の子の成長を描いたお話、おもらししちゃう男の子のお話など、子どもたちの生活に根差した物語が多く読まれました。
約2か月間、メンバーで集まって練習を重ねてきましたが、その成果が発揮できたかは、当日の子どもたちの反応で決まります。しんと静まった会場には、ときおり笑い声がもれたり、絵本を指さして反応する子がいたりと、読み手と聞き手が一緒に物語の世界を共有しているようすがうかがえました。

午前の部のようす
1冊目　『いいないいなイヌっていいな』
［作・絵］リディア・モンクス［訳］まつかわまゆみ［出版］評論社
読み手：黒澤里穂子さん


2冊目　『ちょっとだけ』
［さく］瀧村有子［出版］福音館書店
読み手：平井美和子さん


3冊目　『まどからおくりもの』　※大型絵本
［作・絵］五味太郎［出版］偕成社
読み手：小野恵里さん


4冊目　『ぼくねむれないよ』
［作］ミレイユ　ダランセ［訳］あおやぎ　ひでゆき［出版］朔北社
読み手：加賀恭子さん

午後の部のようす
午後の部では、読み聞かせをはじめる前に、色に関する手話遊びをしました！
赤、青、黄色、緑......これらの色は、手話でどのように表現するのでしょうか？
まほうの手の黒澤さんと小野さんの進行で、来場者のみなさんと一緒に手を動かして楽しみました。


「赤色は手話でどう表現するのかな？」


「黄色はヒヨコのイメージ！親指を額につけて、人差し指を2回横に倒します」

手話遊びをしたあとは、いよいよ午後の部の読み聞かせの始まりです。
1冊目に登場したのは、なんとクレヨンが主役の絵本！
最初にみんなで表現した、色に関する手話がたくさん出てきました。

1冊目　『くれよんのくろくん』
［さく・え］なかやみわ［出版］童心社
読み手：佐藤真奈さん


2冊目　『あめのもりのおくりもの　おおきなクマさんとちいさなヤマネくん』
［作］ふくざわゆみこ［出版］福音館書店
読み手：千葉百華さん


3冊目　『おしっこちょっぴりもれたろう』
［作・絵］ヨシタケシンスケ［出版］PHP研究所
読み手：新納真梨子さん


読んだ絵本は、仙台市民図書館の2階にある「児童書コーナー」で貸出をしています。気になる絵本は、ぜひ借りておうちでもお楽しみください。
来年も「手ではなすおはなしの会」の開催を予定しています。日程が近くなりましたら、このブログやFacebook・Twitterでもお知らせしますので、どうぞお楽しみに！

来場者の感想（アンケートより）
・音声がなくても本の物語に入り込めてとても楽しむことができました。
・手話表現がすばらしく絵本の世界に引き込まれました。
・初めて手話での読み聞かせを拝見しました。手や表情での表現とっても面白かったです。
・姉5歳と妹3歳、手話や耳の聴こえない人は周りにいないので、どんな風に絵本のお話を見てくれるかなあと思っていましたが、思った以上に読み手の方にくぎ付けになっており、楽しんだようでした。
・7階のオープンスペースでとっても良かったです。