報告 2014年06月22日更新

〈3.11以降〉読書会-震災を読み解くために-第14回レポート


【開催概要】
日時:2014 年 6 月 22 日(日)17:00-19:00
会場:せんだいメディアテーク 7f スタジオa
(参考:https://www.smt.jp/projects/cafephilo/2014/06/3-1114.html


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写真1

≪今回の課題本≫

小熊英二著『社会を変えるには』(講談社現代新書)

※主に第5章と第6章

≪今回の読書会の報告≫

①はじめに資料を使って読書会の趣旨と進め方、心がけて頂きたい点を確認しました(資料1参照)。

②第5章、第6章の論述の前提となる第4章の論述の要点を簡単に確認しました。特に文中に登場する「正統性」、「代議制民主主義」、「民主主義の危機」といった言葉の意味を確認しました(資料2参照)。

③第5章、第6章の著者の主張についての理解を皆で共有する作業に入りました。チラシの<解釈フェーズ>に当たる部分です。

第5章は、近代思想がどのように近代の代議制の自由民主主義へと結び付いたのか? という問いの答えを探すかたちで読み解いていきました。

第6章では著者が述べる「二十世紀の思想の流れ」を押さえ、そのうえで著者が提案する「代議制民主主義の再活性化」の方途を確認しました。

当日第5章、第6章の内容を確認する際に用いたのが資料3です。

写真2

<解釈フェーズ>では、論述の要となる箇所を音読しつつ読み進めました。音読することで、「いまここについて話している」という意識を参加者の間で共有することが上手くできたと思います。

今回の読書会はあくまで「著者の主張を押さえる」という<解釈フェーズ>の作業に専念したため、個々の意見や問いを掘り下げて展開することがなく、参加者の方たちには不自由な感触を残したかもしれません。それは①で確認した、多様な読み方を大切にするという読書会の理念に反するようでもありますが、<解釈フェーズ>は今後の対話のための皆さん共通の土台作りであり、自分に馴染みにくい言葉や思考を一端受け入れ、理解を試みる段階でもあります。ここで感じられる不自由さを通り抜けてこそ、全体として良い読書会になると考えています。

参加者の方からの興味深い発言としては、たとえばデカルトの思想の宗教的背景や、日本における「六十八年」についての問いがありました。次回突入する<再考フェーズ>や<対話フェーズ>でそれらについて再び取り上げられればと思います。

写真3

報告:綿引周(てつがくカフェ@せんだい)





*この記事はウェブサイト「考えるテーブル」からの転載です(http://table.smt.jp/?p=9780#report


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