イベント 2014年11月30日更新

第39回 「震災とメディア技術」


■ 日時:2014 年 11 月 30 日(日)15:00-17:00
■ 会場:せんだいメディアテーク 6f ギャラリー4200 ホワイエ
■ ファシリテーター:西村高宏(てつがくカフェ@せんだい)
■ 参加無料、申込不要、直接会場へ
■ 問合せ:tanishi@hss.tbgu.ac.jp(西村)
■ 主催:せんだいメディアテーク、てつがくカフェ@せんだい
■ 助成:一般財団法人 地域創造

《今回の問いかけ》

この度の震災をとおして、わたしたちは、メディア技術への関わりについて大幅な問い直しを迫られているような気がします。
震災直後、沿岸地域の家屋や車などに襲いかかる容赦ない津波の様子を、被災地以外の方々は、自宅の茶の間で、まさに息を呑むように見届けられていたのではないでしょうか。しかもその様子は、何度も何度も繰り返しテレビで放映され、ネット上でも、好きなときに、好きな場所で、様々な関心からアクセスし、観ることができます。言い方を換えれば、被災地よりもそれ以外の地域の方々のほうが、ある意味においてはしっかりと震災の様子を〈把握〉していた、とも言えます。
メディア技術の効用は、まさにこういった〈いま〉性(時間性)や〈ここ〉性(場所性)を無効化したところでこそ存分に発揮されるものなのかもしれません。なぜなら、あらためて言うまでもなく、メディアとはもともと繋がっていない時間や異なった場所、そして離れた人々を繋ぎ、〈媒介(メディア)〉するものとして機能したときに初めてその意味を持ち得るものと言えるからです。
急速なメディア技術の進展のなかにおいては、これまでわれわれのリアリティをかたちづくってきた時間性や場所性、そして身体性の枠組みがほとんど機能していないかのようです。言い方を換えれば、これまで緊密に結びつき、一体化したものとみなされていた〈いま〉と〈ここ〉は、まさに〈溶媒〉のようになったメディア技術によって溶かされてしまい、またそれにともなうかたちで私たちの現実や環境も激しく再編成されていく運命をたどります。メディアは、わたしたち人間の開発した技術であると同時に、つねに、わたしたち人間の環境それ自体を編みなおし、新たなものとしてつくりかえていく側面をもっています。そういったメディア技術の進展に対して、わたしたちはいま、どのように臨むべきなのでしょうか。
今回の「てつがくカフェ」では、〈震災以降〉を生きるわたしたちが、いま、「メディア技術」にたいしてどのように臨むべきかについて、その可能性もふくめて、「てつがくカフェ」の特長を生かしながら粘り強く問い直してみたいと思います。みなさま、ぜひご参加ください。

西村 高宏(てつがくカフェ@せんだい)


*今回の「考えるテーブル てつがくカフェ」は、「対話可能性 記録と想起・イメージの家を歩く」展との関連企画です。展覧会をご覧いただいてからの参加をお勧めいたします。

《てつがくカフェとは 》
てつがくカフェは、わたしたちが通常当たり前だと思っている事柄からいったん身を引き離し、そもそもそれって何なのかといった問いを投げかけ、ゆっくりお茶を飲みながら、「哲学的な対話」をとおして自分自身の考えを逞しくすることの難しさや楽しさを体験していただこうとするものです。

てつがくカフェ@せんだい http://tetsugaku.masa-mune.jp





*この記事はウェブサイト「考えるテーブル」からの転載です(http://table.smt.jp/?p=11079
*イベントのレポートはこちら 
https://www.smt.jp/projects/cafephilo/2014/11/39.html


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