コラム 2021年11月01日更新

前口上のようなもの:コミュニティ・アーカイブってなんだろう?


『コミュニティ・アーカイブをつくろう!』(2018年/晶文社)などという本を出したおかげで、せんだいメディアテークは「コミュニティ・アーカイブ」の専門家だろうと思われているかもしれませんが、正直に言うとそんなことはありません(そもそも「そんな本があったのか!」と思った方は、まずぜひ手に取ってみてください。https://www.shobunsha.co.jp/?p=4534)。いつの間にかよく目にするようになった「アーカイブ」や、映像や写真やインターネットなどの記録やその活用をする「メディア」のこと、あるいは、誰に頼まれたわけでもなくそれらに携わる人々との関わり方について、私たちは2001年の開館当初から今にいたるまで手探りで進めているところです......とだんだん声が小さくなるほどです。

もとい、その『コミュニティ・アーカイブをつくろう!』の序文には、イギリスのThe Community Archives and Heritage Group(コミュニティ・アーカイブ・アンド・ヘリテージ・グループ)という組織による、コミュニティ・アーカイブの定義が紹介されています。

https://www.communityarchives.org.uk/content/about/what-is-a-community-archive

私なりにそれを訳してみると、

  • 記録・収集するものやテーマが人びとのコミュニティそのものであること。古くは同じ地域に暮らす人々の例が挙げられるが、ある仕事の専門性を共有する人々のような、関心によるコミュニティも含まれる。
  • 記録・収集の取り組みにコミュニティが主体的に関わっていること。それはコミュニティの人々自身がアーカイブ活動を担うことであるが、時にはアーカイブの専門家とも手を取りながら進められる。

やはり難しいような......ひとまず、アーカイブの内容や、その進め方にコミュニティが抜き差しがたく関わっていること、それがコミュニティ・アーカイブの鍵であると言っておきましょう。

さて、それでは、コミュニティ・アーカイブ・ラボラトリーは何をするのか。まずはメディアテークのスタッフ3人による仮想の研究室(ラボ)のようなものとして、コミュニティ・アーカイブに関わる当館の取り組みを整理したり、自分たちの学びをかねて調査したことを、このウェブサイトを通じて公開していきたいと考えています。そうしているうちに、コミュニティ・アーカイブを実践している人たちとの出会いが生まれたり、ラボのメンバーが増えたりしないかと期待しているところです。

小川直人(せんだいメディアテーク企画・活動支援室)