トークサロン 2018年12月03日更新

第10回シネバトルトークサロンを開催しました


2018年11月28日に開催されたトークサロンの様子をレポートします。

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第10回シネバトルトークサロン
「ヒッチコックの「サイコ」で語ろう!」

日時:2018年11月28日(水)18:30-19:30
会場:せんだいメディアテーク 2階 映像音響ライブラリー
入場無料

今回のシネバトルトークサロンは、これまでにない試みを行いました。それは課題作品を予め決めて、その作品を鑑賞してからサロンで語り合うこと。これまでは大きなテーマの下、様々な作品を縦横無尽に行ったり来たりしながら話を深めてきました(前回の「食」をテーマにした回など典型的ですね)。しかし今回はその真逆、ひとつの作品を、すでに鑑賞した人たちが、徹底的に語り合うという趣向です。ネタバレやあらすじ説明などに気を使う必要もありません。おお!それは盛り上がるに違いない!で、課題作品は何を??

この課題作品決めはシネバトルブレインズでも侃々諤々の議論になってしまうのでは?という心配もあったのですが、決まってみれば論客ツノカケさんが

"必ず観ておかなければならない""外しては絶対にならない"マストアイテム映画は存在する。それがサスペンスの巨匠、ヒッチコックの「サイコ」だ。めくるめく男女の恋に潜む偏愛(=変愛)を華麗な映像テクニックでユーモアを交えながら描いて来たヒッチコックであるが、本作「サイコ」は一転して、情け容赦の無い"恐怖"のつるべ撃ちで全世界の映画ファンを驚愕させた奇跡の映画なのだ。

と早々に決定打を出してきて、ブレインズの納得の1本「サイコ(監督:アルフレッド・ヒッチコック/1960年)に決定しました。有名な作品であるが故に観たつもりになりがちな「サイコ」。このサロンをきっかけに初めて観る人がいてくれたらいいなぁと、いつもより早くから告知を続けてきました。どんな人が参加してくれるのか?いや、そもそもわざわざ「サイコ」を観てから参加しようと思う人がどれくらいいるのか?不安と期待が半々で当日を迎えることになりました。

当日いざ蓋を開けてみれば、「サイコだから...」という理由だけで初参加してくださった方が数名いらっしゃったほど。ほぼ60年前の作品なのにこのパワー。おそるべし、サイコ。それにしてもおもしろい/素晴らしい作品であることを参加者全員がよくわかっている状態で始めるサロンも実に楽しいですね。また懐深い作品であるがゆえに参加者の視点も様々で、「あ!なるほど、そういう解釈もあるか!」という楽しみもありました。特に日本国内公開をリアルタイムで体験された方から語られる当時の国内映画事情の一端は大変興味深かったですし、ヒッチコックの他作品と比較して話し合う時間が多かったのもサロンならではの楽しみだったと思います。1本の課題作品に絞ったことで寄り道無しに様々な視点がどんどん言語化されていく様子は、課題作品の事前鑑賞というルール無しには味わえなかったでしょう。

ただ緻密に作られた奥の深い作品である「サイコ」を語り尽くすには1時間は短かったです。全体的には少ししゃべり足りない感じでこの日は終了しました。また「サイコ」に挑戦する回があるかもしれません。今回の参加者は17名でした。ご参加ありがとうございました。

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(A.H.)


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