せんだいメディアテーク

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今年度メディアテークでおこなわれている取り組みの一覧です

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プロジェクトリスト | 学校連携

2018年08月03日更新 報告 平成30年度仙台市小学校教育研究会図画工作部会教科研究会

平成30年8月3日(金曜日)に、「平成30年度 仙台市小学校教育研究会 図画工作部会 教科研究会」と題して、午前の部「コマ撮りアニメーションを作ろう!」、午後の部「30秒Movie - 映像による表現と鑑賞-」の研修会を実施しました。

会場のようす
会場のようす

午前の部「コマ撮りアニメーションを作ろう!」

せんだいメディアテークの学校連携事業で、学校などに貸し出しているコマ撮りアニメーション作成セットを使った図工の授業をおこなうために必要な技術講習です。
撮影はタブレットやスマホではなく、アニメーション作成ソフトウェア(CLAYTOWN:終売)をインストールしたWindowsノートパソコンと、三脚に固定したウェブカメラでおこないます。
カメラと撮影操作端末が分かれているので、グループ体験学習ワークに適していますが、機材セットはコンテナ3つ分もあるので、運搬に苦労するのが悩みの種です。

午前の部の講習は、次のことを約2時間30分(+α)でおこないました。

  • 講習の概要の説明
  • 機材セットと貸し出し手続きの説明
  • アニメーション機材セットとソフトウェアの一連の操作手順
  • 制作
  • 中間鑑賞会(早くできたグループの事例紹介)
  • 制作
  • 全体鑑賞会(フィードバック)

コマ撮りアニメーションは、パラパラ漫画の要領で、少しずつ動かした被写体を撮影してアニメーションを作るので、やりたいことはすぐに共有できます。また、図工の先生方が参加者ということもあって、説明は定刻どおりに終えて、さっそく機材の設営を開始しました。例年短い時間の中で講習を実施しているので、これまでは設置済みの機材セットを使っていました。しかし、アンケートや実際に貸出した後に先生から「思っていたよりも設営に時間がかかる」という声を頂いていました。この機材セットは、これ以上設営時間を短縮することは難しいので、今年は設営にどれくらいの時間がかかるのかも含めて体験していただきました。なぜ貸出期間が一週間なのか、授業ごとに出したりしまったりできないかを体験できたかと思います。

実際に機材を使って撮影すると、「ウェブカメラの画像が暗いので明るくするにはどこを弄るの?」、「間違って撮影したコマをどうやって消すの?」、と進行上遭遇するイベント(アクシデント?)をなるべく多く体験してもらって、実際の授業を円滑に実施できるよう、ここでさまざまなトラブルシューティングを体得してもらいました。

外気温33.6度(真夏日)に負けない活気あふれる先生方の作品づくりのようすを簡単にご紹介します。

グループA

グループA
折り紙をつかった作品づくり

鑑賞会で、「折り紙でアニメーションを作りたいと思った。」とコメントされていました。
上の写真は、折り紙をおって、机に置いて撮影しているときのものです。作品づくりを進めるなか、折り紙をどうやったら生き物のように見えるか、折り紙の作品たちを寝かせたり立たせたりと奮闘されていました。鑑賞会の質疑応答で、「出てくる芋虫が大きくなっているけど、どうやったの?」という質問に、「小さい芋虫、中くらいの芋虫、大きい芋虫を作って、大きくなるのを見せた」(上写真の右下にある黄色いジグザグのもの)と、その作品の制作方法を発表して共有しました。

折り紙を次のフレームの形にしているようす
折り紙を次のフレームの形にしているようす

グループB

グループB
軍手をつかったフィニッシュのフレームの撮影

グループBの先生方には、アッという間に完成した「ラブ」という作品を中間鑑賞会で発表してもらいました。上の写真は2つ目の作品「へんしん」の最後のシーンの撮影のようすです。
持参された野菜やペットボトルキャップ、布を使ったカラフルな表現の作品の最後に登場する軍手は、ただ立たせても立たないので、三角錐の発泡スチロールモデルを中に入れて、指がうまく2つ立つようにして撮影していました。随所に工夫が見られた作品でした。

グループC

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「ふしぎなイス」の撮影のようす

制作を開始してすぐに完成していたので、中間鑑賞会で「あわぶくまて〜!」という金魚があわぶくを追いかけるアニメーションを発表しました。
そして2作品目として「ふしぎなイス」という、クルクルまわるイスにのっている人が次々と入れ替わるアニメーションができあがりました。
アイディアを形にするのがとても早くて、時間があればたくさんの多様な作品ができあがったと思います。出てきたアイディアをすぐ形にしてみて、どうだったか体験してみるという図工の先生方の行動力がこの会場の熱気の源泉のように感じました。

グループD

グループD
きゅうりが登場

「本当の主役は・・・」というタイトルのアニメーションを作成しました。鑑賞会では、「キャラクターやきゅうりがでてきて、撮影しながら次の展開を考えていったので、どうしようかと考えながら作りました。」というコメントでした。最後はクイズになっていて、本当の主役は誰?というものでした。映像もあるので答えを考えてみてください。

グループE

グループE
魚(さかな)たちのアニメーションを作成中

「ぎょ・魚・ギョ!」というタイトルの作品を作成しました。
鑑賞会でのコメントでは、「ねんどを使ったアニメーションを作りたかった。」「魚がけんかして仲間はずれになるけど、最後は仲良くなる。」という説明がありました。映像は許諾をいただいていなかったので公開できませんが、色使いがカラフルできれいな作品でした。

グループF

グループF
バナナのペンケースを使った作品

バナナがいろいろなものを食べる?映像作品です。最後にハサミを食べた後、バナナがハサミの形になっています。バナナのペンケースが本当のバナナのようで、この映像を見たほかのグループの先生の感想にも、「バナナを食べるのでは無く、バナナが食べるという発想が面白かった。」というものがありました。短い時間にもかかわらず図工の先生方のアイディアを形にする力は本当にすごいです。

鑑賞会

最後に、作品が相手にどう届くのかを肌で感じてもらえたらというねらいで、作品をグループごとに発表しました。
鑑賞会という場で発表することで、作品を作るだけで終わらず、自分たちの作品を見た人はその作品をどう感じ取ったのか、作った人の作品に込めた思い(メッセージ)と鑑賞した人が映像作品から読み取ったこととのギャップと、新しい視点からの作品のみかたを発見できたなら幸いです。
また、鑑賞会では1作品ずつ鑑賞・作成したグループのコメント発表・質疑応答を順番におこなって、絵作りやアイディアを形にするノウハウなどを共有しました。

作品

今回許諾をいただいた3グループの作品を掲載します。

グループAの作品 タイトル「おおきくなあれ」

グループDの作品 タイトル「本当の主役は・・・」

グループFの作品 タイトル「いただきます」

午後の部 30秒Movie - 映像による表現と鑑賞-

会場のようす
会場のようす

お昼の休憩時間をはさんで、午後の部として「30秒Movie」に関する講習を、南吉成小学校の矢崎先生を講師として実施しました。
30秒ムービーは、三脚にセットしたデジカメを一人一台ずつ持って、与えられたテーマに沿って、自分が思った動きのあるところをカメラを固定したまま動画で30秒間撮影します。
カメラは一人一台ずつ提供されるので、個人の活動が保証されます。また、固定してボタンを押して撮影するだけなので、映像表現の個人差がほぼありません。できあがった映像には意図的な演出が無く、日常的なものが映し出されます。30秒ムービーは、撮影する人のその動画を撮りたいと思った気持ちをそのまま映像にします。

30秒Movie 講習の流れ

  • 講習の概要の説明
  • 三脚とカメラの設定
  • 撮影
  • 鑑賞会

30秒Movieのような映像による表現と鑑賞に関するプログラムは、とにかくやってみるのが近道です。
三脚とカメラの準備ができたらさっそく撮影です。
今回のテーマは「夏」です。
このテーマに沿った動きのある画を追い求めて、館内及び近隣を縦横無尽に探索します。

撮影中のようす
「夏」に関する動きを求めてあちこちで30秒撮影します

館内から見える外の景色は夏一色、室温28度でも照りつける日差しは肌を刺します。
「夏」を求めて館内を縦横無尽に撮影します。

撮影中のようす
館内は動きが少ないのでまずは「動き」を探します

館内は静まりかえっていて、動きを見つけることが難しいです。
よく目を凝らしてみると、動きが潜んでいるので、それをうまく撮影します。

撮影のようす
七夕の吹き流しを撮影?

1階では、せんだいメディアテークの別の事業で実施している「【展覧会】ワケあり雑がみ部 成果発表展示(新しいウィンドウで開きます)」の準備中でした。いかにも「夏」の仙台七夕の吹き流しを撮影していると思ったら、別の「夏」を撮影中でした。
この撮影中、館内の幾人かの利用者の方から、「あの人たちはカメラを持って、何を撮っているのか?」というご意見を頂きました。その場で、今回の研修会の実施趣旨や目的、先生方が夏休み中に研鑽に励んでいることを説明したところ、このことについて認知していただき、「このような研修会はもっとやったほうがいいね!」と、口頭で「いいね!」をいくつか頂戴しました。

鑑賞のようす
鑑賞のようす

撮影から戻ってきて、講師から「デジカメにある映像は一つだけにして、残りは消してください。」と告げられます。いくつか撮りためた映像ですが、鑑賞に出せるのは一つだけ。早速どれが一番良いかを選んで、ほかの映像とサヨウナラします。そして、一番思いのある映像で鑑賞会をおこないました。まず、撮影された映像を再生して、鑑賞している人たちで動きのあるもののようすを声に出して言い合います。映像に映っている動くものに目が向きます。このとき、もっと大きいスクリーンだと動きを探すのがとても楽しくなると思うのですが、今回準備したモニターでは、少し小さかったようです。ただ、明るい場所では、プロジェクターでは動きを見つけるのも大変になるので、暗い会場が良いのかもしれません。一度再生が終わると、今度は撮影者が2回目の再生に合わせ、どんな想いで、どんな動きとどんな「夏」を撮影したのか発表します。ここで、先の鑑賞者の視点と撮影者の視点の違いや、新しい視点が確認できます。これを繰り返すことで、鑑賞する力が養われます。
学校では、子どもたちがお互いに映像に対して様々な意見を交すと思います。
今日は、せんだいメディアテークというアウェイ、更に、動きの少ない場所しかない施設での撮影は、ハードルが高かったように思えます。しかし、先生方にはこのような悪条件の中でも、多様な「夏」に関するせんだいメディアテークで感じて見ることができる「動き」を見つけていただきました。

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30秒Movieなど映像による学習について(学芸員 小川より)

最後に、せんだいメディアテーク学芸員の小川より、30秒Movieなど映像による学習について、現状などを踏まえて解説しました。

教育の現場では新しい指導要領が取り入れられますが、今後もせんだいメディアテークが得意とするアートや映像で学校教育と連携ができればと思います。

実施概要

日時

  • 平成30年8月3日(金曜日) 9時から設営 9時30分開始 17時終了

次第

  • 午前の部 コマ撮りアニメーションを作ろう!
  • 午後の部 30秒Movie - 映像による表現と鑑賞-

参加者数

  • 午前の部 27名
  • 午後の部 28名