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報告 2021年11月03日更新
インタビュー収録をしました
2021年7月25日 10月16日 10月30日
昨年の公開編集で作成した仮製本の写真集を見ながら、何かが足りないと引っかかっていたことがあり、出版に向けて動き出せないでいました。
私は生前の寺崎英子さんに何度か会っていて、写真も何度も見ているものの、英子さんがどんな人で、細倉でどのような暮らしをしていたのかをほとんど知りません。写真集を出版するにあたり、その部分が欠けているように思いました。英子さんがなぜ写真を撮り始めたのか、その背景を知りたくて(結果、わからなかったとしても)英子さんを知る人に当時のことを聞いてみたいと考え、インタビューをさせていただくことにしました。
お願いしたのは、英子さんの弟の笹正男さん(仙台市在住)と、今も細倉に暮らしていて何度も英子さんの写真に登場する、弟夫妻の寺崎秀夫さん、ひろみさん。そして元細倉鉱業勤務だった菅原セツさんの4人です。
笹さんのインタビューは、いつも犬と散歩をするという近所の水の森公園で真夏の日差しを避けて木陰でインタビューをしました。18歳で細倉を離れた笹さんですが、それまでの寺崎家の成り立ちや家族についてたっぷりお話しいただきました。
コロナウイルスのこともあって、寺崎秀夫ご夫婦のインタビューも屋外でと考え、廃線になった栗原田園鉄道の細倉マインパーク駅のホームを予定していたのですが、想像していなかった雨と気温低下で諦め、急きょマインパークの資料展示室の一角をお借りすることにしました。
資料展示室にはかつての細倉のまちを再現した大きなジオラマがあります。そのジオラマを背景に、写真を撮っていた頃の英子さんについてじっくり聞くことができました。
インタビューの最後は栗原市一迫に在住の菅原セツさん。セツさんは英子さんと親しい付き合いがあったわけではないのですが、展示のたびに来場され、トークにもおいでいただいています。英子さんのお父さんが自力で細倉に家を建てた頃から、英子さんが写真を撮り始める頃までの、最も細倉が賑やかだった頃から閉山までを鮮明に記憶されていました。90代のご高齢のため、インタビューをお願いするのに少し躊躇したのですが、お話を聞けて本当に良かったです。
今回は仙台市市民文化事業団の助成を申請し、インタビューアーカイブ事業として印刷物とビデオでのインタビュー集を制作することになっていましたので、文字起こしと映像の編集を行い、期限の年末までにテキストと写真が掲載された本(A5版70頁)と、インタビュー映像(全3巻)を完成することができました。
このテキストをさらに構成して、写真集に掲載しようと思います。
(文・小岩勉)